BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【テスト終わって】がらくた集め、【更新再開!】 ( No.303 )
日時: 2013/03/17 20:50
名前: ぜんく ◆yQu0uV02tI (ID: RiKQWiSC)


 中途半端にしか知らないK。
 とりあえず私は猿比古くんが好きです。猿比古くん受けください。



【わたしに好きをください、そして愛してください。/版権/K/BL/美猿】






 俺の世界には、美咲しかいらない。
 俺は、美咲しか知らない。

 なのに、美咲は。

 みさきは。


「みさき・・・」

 美咲は赤に染まってしまった。
 だから俺も赤になったのに。

「俺以外、見てんじゃねえよ・・・」

 俺は赤に染まることができないのだろうか。
 赤に染まった美咲の瞳が、赤になれなかった俺を映す時間は日に日に短くなっていった。
 美咲。こっち見ろよ。美咲。なあ、美咲。よそ見してんじゃねえよ。

 ああ、わかった、わかったよ。
 美咲は俺に"好き"をくれないんだろ?
 その感情は赤の奴らに捧げるんだろ。

 じゃあさ。

「俺はセプター4に入ったんだ」

 お前が好きな赤なんて、捨ててやるよ。
 お前が大好きな赤のしるしなんて、お前が大好きな"赤"の炎で燃やしてやる。
 お前の誇りなんて、燃やしてやる。

 ぐつぐつと焼けていく皮膚の痛み。
 憎しみに染まった、俺を映した瞳。
 ああ、堪んねえなア。
 みさき。

「っざけんじゃねえ、猿・・・!」

 いいね、その顔。最ッ高だ。
 青に染まった俺だけを映すその瞳。嫌悪が丸わかりなその表情。
 そうだよ美咲。お前はそれでいい。俺だけを見てればいいんだ。
 いいんだよ。


 (いい、はずなのに。)
 (なんで胸が痛いんだろうな。)


 ずきずき痛むのは焼けた皮膚の所為か、それとも———。


 なあ、美咲。
 "好き"をくれないのなら、お前のその憎しみを俺に頂戴。
 美咲の瞳に俺だけが映るのならなんだっていい。
 だから俺はまた名前を呼ぶ。

「美咲ィ」
「名前で呼ぶなっつってんだろうが!」

 赤の奴らに捧げた"好き"なんて要らない。いらない、要らない。
 そんなの燃えて灰になって、そして消えてしまえばいいんだ。
 美咲は俺にだけその憎しみを向けてくれればいいんだ。
 俺にしか向けない感情。赤の奴らにも、他の奴らにも向けない感情。
 美咲の、特別。それがどんな形であろうと、特別ならどうだっていい。

 美咲が俺をみてくれれば。特別な存在だと思ってくれれば。
 別に嫌われようが憎まれようが良い。


 (馬鹿みたいだ、本当は"  "が欲しい癖に。)
 (・・・なんて。)
 (——ああ、いてえなア、いたい、いたい。)


 痛みを誤魔化すように、シャツをぐしゃりと掴んだ。





     【Fin.】

 何が書きたいんだか・・・。

 自分以外に向けない美咲くんの感情が欲しかった猿比古くんの話。
 好きっていう感情は他の人にも向けられてるから、憎しみっていう感情が欲しい。
 でもやっぱり辛いな、好きが欲しいな。
 ・・・みたいな話を書いたつもりです。
 美猿ください。






 ここまで読んでくださり、ありがとうございました!


追記
 改行しました。