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【リンネ/初音ミクオリジナル曲/曲解釈】



　　　———とある駅の白線前より。


　黒い山羊は呟いた。
　　(黒く鮮やかまっかっか。)

「白線よりお下がりよ、—————」

　鈍色電車通り去って。
　　(私の目前スレスレを。)
　隣で猫が問い掛けた。
　　(自問自答を繰り返す。)

「アナタは何処に向かうんだい、ここらも直に死んじまって」

　赤の手首携えて、私一人ふわり根無し草。
　　(赤く染まった手首、根無し草を引き抜いて。)
　錆びた水を飲み込んで、次の駅。
　　(飲み込み忘れる？無駄なこと。)

　またどうか、愛を。
　　(愛を私に下さい。)
　帰りの電車は何処にも無いわ。
　　(ただ進むだけ進んでほら終わり。)
　教えてダアリン、ねえダアリン。
　　(もう私には、名前を呼ぶ権利すら無い？)
　声が聞こえた、ような気がした。
　　(止めてお願い、口に出せない。)


　枯れた花は呟いた。
　　(枯れて萎れ滅茶苦茶。)

「感情が無い、感情が無い」

　心は憂い夕を吐いて。
　　(心は錆びて涙<ルイ>を吐いて。)
　蝉の泣いて堕ちる頃。
　　(涙落とし身体堕ちて。)
　電線が裂いた赤の下
　　(裂いて裂かれ空の下)
　立ち入り禁止蹴っ飛ばして。
　　(アナタは来てくれないの。)
　猛り影がドロドロと、零れ出す。
　　(黒い影が渦巻いて、溢れだす。)

「見えない」と、泣いて泣いて。
　　(「見せてよ」と、祈り、落ちる。)
　私の想いを、探してるわ。
　　(アナタの想いを、見つけられない。)
　教えてダアリン、ねえダアリン。
　　(教えてお願い、アナタの気持ちを。)
　鳴らぬ電話の命は何処へ。
　　(電話が来ない、充電切れて。)


　茹だる茹だる環状線。
　　(使い物にならない、呟いて。)
　ここには無い、ここに終点は無い。
　　(私の望む終末など許されなくて。)
　左、左、右で鳴る。
　　(痛い、痛い、叫べない。)
　踏切りの音、カンカラリンドウ。
　　(ゆっくり落ちて堕ちて行く。)
　カラスは言う。

「あの頃にはきっと戻れないぜ」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「君はもう大人になってしまった」






　またどうか


　　　　　　愛を



　　　　終わらない輪廻を

　　　　　　　千切っておくれ


　さよならダアリン
　　ねえダアリン


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あの日私は大人になった



　絶えず思う、二人一人。
　　(結局一人、もう戻れない。)
　暮れ落ちた言葉は、取り返せずに。
　　(「　　　　　」囁いて。）






　　　　　　　　　　さよならダアリン、ねえダアリン



　　　クルクル回る
　　　　　　　環状線を。


　　　　　　「　一人憐れに歩めや少女　」



　(さよなら、) (ダアリン)

　　　　　【Fin.】

　助けて。ダアリン、ねえ助けてよ。

　想っていたのは私だけ？
　アナタは愛してくれないの？
　**を囁き囁かれ。
　嗚呼、結局御伽話。



　ここまで読んでくださって、ありがとうございました。