BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【創作とか版権とか】がらくた集め、【BLとかGL】 ( No.45 )
日時: 2011/05/03 21:28
名前: ぜんく ◆yQu0uV02tI (ID: RiKQWiSC)

【アスタリスク/創作/私のなれの果て。のバッドエンド。】





「———でね、***がさあ—————」
「マジで!? あははははっ!」

 私は笑って、俯き右手で顔を隠したまま友人から顔を逸らす。
 その瞬間、消える笑み。声だけで笑う私。
 私は、笑うことすらできなくなってしまったのだろうか。

「すごい面白いよねえ!」
「ははっ、やばいツボった!」

 なんてお腹を抱えて、自分自身を嘲笑う。バカみたい。私はもう、笑うことすらできないんだ。
 ああ、どうしてくれる。・・・この笑いを誰か止めて。




 私は結局、なんの為に生まれてきたのでしょうか。
 私は結局、なんの役にも立ちませんでした。
 私は結局、羽を毟られ、足を引き千切られた蝶。
 いえ、私は蝶ではないかもしれません。
 私は結局、光という名の希望に縋るだけの蛾なのかもしれません。
 それでも私は何かに縋りついて生きたかったのでしょう。
 死ぬのが何よりも怖かったから。
 確かに死ぬことの方が、生きることよりも遥かに簡単なのでしょう。
 けれど、簡単なことこそが怖いのです。
 ええ、死んでしまえば私は消える。
 いつか、全ての人の記憶から消えてしまうかもしれません。
 そう、それこそが苦しみから解放されることへのリスク。
 これはきっと、私に残された選択肢なのでしょう。


                         死んで、誰かの記憶から消えるか。



生きて、この苦しみを死ぬまで味わうのか。




 私は迷いました。
 こんなに迷う選択肢など、見たことも聞いたこともないからです。
 ああ、どうしよう。
 死んでしまおうか。
 それとも生きようか。
 私は結局、結論を出しました。



     わタシはケっキョク、死ヌことニシましタ。


 何れ時が来て死んでも、誰かの記憶から消えてしまうからです。
 生きているのは、それを先延ばしする為。
 人はそれを、命乞いとも言うのでしょうか。
 人は結局、誰かに自分の存在を主張したいのでしょう。
 人は結局、その為に死なずに生きているのでしょう。
 人は結局、自分の為に生きるのでしょう。




 私は結局、この世界が大嫌いなのです。
 作り笑いすることに飽きてしまいました。
 私は結局、この世界が大嫌いなのです。
 綺麗事を並べて生きる人間を見飽きてしまいました。
 私は結局、この世界が大嫌いなのです。
 社交辞令で機嫌を取ることに疲れてしまいました。
 私は結局、この世界が大嫌いなのです。
 甘いあまい、お菓子の様に並べられた嘘を見てしまいました。
 私は結局、この世界が大嫌いなのです。
 苦いにがい、石ころの様に落ちた真実を見てしまいました。
 私は結局、この**が大**なのです。




 ぐらりと、私は世界から堕ちていきました。
 ぐしゃり、あかい何かが私の視界いっぱいに広がりました。





                   ***はこの**った**を*い、**した。




          アスタリスクで伏せられた真実を騙る。




 (アスタリスクは、) (小さな星なんだって。)

     【Fin.】

 結局、全ては御伽話だったのです。