BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【創作とか版権とか】がらくた集め、【BLとかGL】 ( No.48 )
日時: 2011/05/07 18:27
名前: ぜんく ◆yQu0uV02tI (ID: RiKQWiSC)

【マスター達の語り。】


 今日は雨が降っている。体が重く感じる。体だけじゃなく、気も重くなる。
 それは、隣に居る九龍さんも同じみたいで。九龍さんは体を少し曲げて丸まっていた。
 リンやレンと年は近いらしい。まだ僕は小学五年生だから、羨ましい。早く大きくなりたいなあ、なんて。
 そして、九龍さんはボーカロイドの調律師。
 僕もそうなんだけど、昔両親に仕込まれたピアノだとか、お金持ちの人達がやってそうな楽器しか演奏できない。
 それに、僕はまだ小学五年生だからあまり難しい言葉を知らない。作詞も難しいんだよねえ。



 どうやら九龍さんは曲を作るのに長い時間がかかるのをコンプレックスに思っているらしい。
 僕はゆっくり作れた方がいいんじゃないかなあ、と思う。
 僕の場合、ちょっと適当になっちゃう部分もあるから。


 それより、今の問題は、この家には僕と九龍さんしかいないということだろう。
 僕のボーカロイド、KAITOは家に傘を取りに行くと言って、一度家に帰った。
 リンとレンは、おつかいにいって帰ってこない。おつかいにしては遅すぎやしないか。

 雨の日に、九龍さんと二人でお留守番。
 しかも、二人ともお化けの類は苦手で、そういう類の話を聞いただけで震えが止まらなくなってしまう。
 はっきり言っても言わなくても、僕等は留守番をするのには適していない。

「久遠君、KAITO君、こないねぇ」
「……そうだね。早く帰ってこないかなぁ」
「おや、考えていることは同じなようだね。雨の日には、いろんなものが出てくるからね」

 カエルとか、綺麗に咲いたあじさいとか、幽霊、とか。
 雨の日や、水辺には霊がよく集まるらしい。レンが、おつかいに行く前にそう言って僕達をからかった。
 それを聞いた僕達は、どうしたでしょうか。




 家の窓にきっちりと鍵をかけ、カーテンを閉めて、九龍さんの部屋で縮こまっている。

「KAITO君が早く帰ってこないってのも、珍しいねぇ? いったい、なにがあったのやら」
「いつもは、早く帰ってきてくれるのに」
「……いいね、君の家の子は頼もしくて」

 九龍さんはそう呟き、ため息をついた。
 その小さな呟きに、僕は苦笑した。

「僕の子は、確かにしっかりしてるけど、僕のことからかったりするし。さっきだってそうだったじゃん」

 九龍さんはそういって、黒いクッションを手に取り、それを抱きしめた。
 僕はそんな九龍さんを見て、薄く微笑んだ。

「でも、良いじゃない。自由にさせてくれるんだから。KAITOは僕にああしろこうしろって言うし、嫌いなピーマン食べろっていうよ」
「君の家の子は、お母さんみたいだね。こっちは、兄と妹が出来た感じがするよ」

「良いなぁ。九龍さんの家の子は。KAITOは好き嫌いするなって言うし」
「僕の家の子は、夜に怖い話聞かせるし」
「KAITOも、時々そうなんだ」
「あぁ、そっちも大変だね。それでいて、兄貴風ふかすし、リンとレンは仲がいいから、時々一緒になって僕をからかうし」
「KAITOは人参とピーマンだけで作った野菜炒め食べさせるし、時々僕から離れていくし……」

「だけど、それはKAITO君なりの愛情じゃん。久遠君に健康でいてほしいってことだし、危険な目にあって欲しくないんじゃん?」
「リンとレンの方も、ただ九龍さんを楽しませたいだけなんじゃない?」


「……そんなものかな?」

 九龍さんが首をかしげてそう言った。僕が吹き出す。
 九龍さんも、つられて吹き出した。

 相手の家の子はいい子だって言って。
 うちの子は嫌だっていいながらも。

 結局は、全部こういうことなんだろう。


「「そうは言っても、結局は好きなんだよねぇ」」



     【Fin.】

 ピーマンと人参嫌いが多いのは私の所為です。

 私・・・ピーマンと・・・人参が・・・嫌いです^p^
 ピーマンは嫌いだけど人参は苦手に入る。
 食べれないことはないけどピーマンだけは無理。
 好き嫌いの多い私でした。


※ちゃんと九龍さんには許可取ってます。



 ここまで読んでくださって、ありがとうございました!


追記
 軽く修正。
 またもや軽く修正。