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　ぐろちゅうい。

【居たい居れない痛い、/創作/NL/ヤンデレ/二重人格】




　この想いが、届かなければいいのに。





「***って、***のこと好きでしょー」
「・・・え、なんで知ってんの」

　そう言ったそんなに親しくも無い人に訊かれた。
　誰かが言いふらしてんのかなあ、と頭の隅で思う。

「いや、見てればわかるって」

　その人の親友で私の幼馴染が、そう言った。
　そういえば、・・・幼馴染も***のこと好きだった、よね・・・？

「***と一緒にいる人すっごい睨んでるからわかるってー」

　へら、と笑いながら言った幼馴染。私はあんまり人に知られたくないんだけどなあ。
　これから気をつけよう、とは思ったが元々抑え切れない感情を抑え切れるわけもなく。

「あーあ、憎い憎い、アイツ死なないかなあ」

　溜め込んでると余計イライラして殺してしまいそうになるから、声に出して言う。
　きっと聞こえてない。聞こえてない、筈。

「・・・あーあっ、殺しちゃいたいなー」

　何度も自分に突き立てようとしてできなかったあの刃物——包丁——を思い出し、私は独り自嘲した。

「は、・・・ッ、・・・殺しちゃいたい、よ————」

　いっそのこと、世界には君と私の二人だけだったらいいのにね。



　そこで、私の意識は落ちた。





「あ、・・・あ、ああ゛、あああアあ゛あああアア゛ああああ！」

　頭を抱えて叫ぶ私。目の前は、まっかっか。
　学校の廊下も、私の教室も、友達の教室も、・・・ぜんぶ、まっかっか。

「・・・ど、して・・・どうして居ないの・・・？***、・・・*、*・・・*・・・」

　もう、居ないのに。邪魔する奴らは、もう居ないのに。
　どうして君が居ないの・・・？





「あは、アははははははハははハはは！」

　笑う、"ワタシ"。
　どうしてワタシは笑ってるの？みんな、居ないのに。
　あれえ、ワタシって誰だっけ？私って誰？ワタシって誰？





「あ、れえ・・・」

　ああ、私は罪を犯してしまった。
　ただ、君と笑っていたかっただけなのに。私は君と一緒に居れなくなってしまった。
　私はもう、笑う事ができない。泣くことしか、できない、の・・・？

「・・・はは、・・・私ってほんと、ばか・・・」

　カラン、とその自分に突き刺さることはなかった赤く染まっている刃物は、廊下に落ちた。
　その刃物を持っていた赤く染まった右手は、私の顔を濡らす涙を拭った。
　でも、そのアカで私の顔はもっと濡れて、ぐしゃぐしゃになっていった。
　右手を退かせば、また映る赤。私は絶望する。夢なら、覚めてしまえばいいのに。
　この夢<世界>から覚めたいなあ、と呟く。痛む胸。
　あ、そっか。と、そこで私は思い出す。この夢<世界>から、さめる方法を。




　　　　　　　　　　左胸に小さな衝撃、そして大きな痛み。

　(その痛みは本当に、) (夢から覚める為に払った代償の)
　　　　　　　　(痛みだったのでしょうか。)

　　　　　【Fin.】

　ぶっつんぶっつん切れてく君との思い出。




　ここまで読んでくださって、ありがとうございました！


追記
　脱字修正。