BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【創作とか版権とか】がらくた集め、【BLとかGL】 ( No.82 )
日時: 2011/06/07 21:09
名前: ぜんく ◆yQu0uV02tI (ID: RiKQWiSC)


 病気ネタが嫌いな方はちゅうい。

【存在、そして消失。/創作/突発的死ネタ/病気/今まで生きられた幸せ】





 僕は、この世界に存在することができて、とても幸せだったのだと思います。
 いつだって、僕を笑顔で支えてくれた母。
 いつだって、僕を叱りながらも大切にしてくれた父。
 いつだって、僕を勇気づけてくれた友達。
 僕は、この人達が大好きです。僕をずっと、この世界に存在させてくれた人達が。
 僕は、きっとこの人達が居なかったら、死んでいたでしょう。
 だって、この人達の中の一人でも欠けていたら、今までの幸せなんて、これっぽっちもなかったのでしょう。
 この人達が揃ってからこその幸せだったのでしょう。

「私はアナタを、愛しているわ」

 悲しいことがあった時。いつも、僕を抱き締めてくれた。その時の温もりは、今でも忘れられません。

「お前を愛さない奴の目は節穴だ」

 滅多に笑わない父が、僕に笑いながら頭を撫でてくれた。その時の体温を、いつまでも忘れません。

「***が居ないとさ、やっぱりなんか寂しいんだよねえ」

 苦笑しながら言う友人は、僕の手をぎゅっと握りしめてくれた。その時の温かさを、忘れることなんてできません。




 僕を、ずっと支えてくれていた、人達。
 何も言わずに、そっと僕の傍に居てくれた、人達。
 何度、この言葉を言えばいいのでしょうか。
 何度、この言葉は溢れ出してくるのでしょう。
 何度、この言葉を、伝えればいいのでしょう。


 ああ、僕は今度こそ。
 この言葉が、気持ちが、みんなに届きますように。




「ありがとう」




 ちゃんと、僕は言えたでしょうか。
 酸素マスクの中で、僕は、息を、言葉を、気持ちを零す。
 息絶え絶えに、零したこの息。
 言葉。
 気持ち。

 目を見開いて、僕を見るみんな。
 そっと、みんなは涙を零しました。
 ああ、僕の為に泣いてくれるの?
 でも、みんなの泣き顔はできるだけ見たくないなあ。

 僕はそっと、伝えました。



「泣かないで」



 そう言ったのに。
 ぶわっとみんなは涙を溢れさせました。
 みんなが、僕が消えるのは悲しいみたいで。
 僕も、一パーセントに満たない希望に縋りついてしまうのです。
 でも、僕はやっぱり無理なのだと、その直後気付くのです。
 眠気が、僕を襲いました。
 僕を、ずるずると闇に引っ張って行くみたいに。
 ああ、もう、みんなとお別れかあ。
 そう考えたら、涙が溢れ出てきました。




「・・・ばい、・・・ばい・・・・・・僕、は・・・幸せだったよ・・・」



        僕は、精一杯の笑顔でそう告げました。




 (ありがとうと) (伝えられただけで幸せ)

     【Fin.】

 返信は後日させて頂きます!

 ただの突発ネタです。




 ここまで読んでくださって、ありがとうございました!