BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【創作とか版権とか】がらくた集め、【BLとかGL】 ( No.91 )
- 日時: 2011/06/14 18:48
- 名前: ぜんく ◆yQu0uV02tI (ID: RiKQWiSC)
【伝えきれなかったその言葉。/その他/ぜんくの昔の話。】
「・・・うち、来年からもう居ないんだ」
そう聞いた時、どれだけ驚いたか。
幼稚園の頃からずっとクラスも一緒で、私の一番の親友だった彼女。私の傍から消えるの?
そんなの、嫌に決まってる。嫌だ。夢なら彼女と一緒に笑ってあげるから。
行かないで。
転校すると告げられた日に近いいつか、私は彼女の家を知った。
私がいつも居るお婆ちゃんの家とかなり近くて、一分かかるかかからないかぐらいの距離だった。
長いような短いような、彼女と過ごせる時間を彼女の家に言って埋めて行った。
塾の無い水曜日と金曜日には、いつも彼女の家に行っていた。それ程大好きだった。
それでも。彼女とは何でも出来る気がした。彼女と二人でどこかに逃げ出したかった。
誰も居ない、静かな場所で二人、ずっと。人生で一度だけあった喧嘩も、彼女とした。
すぐに彼女は謝ってくれた。私は授業に集中できなくて、謝ろうと思った休み時間。
彼女はいつだって、優柔不断な私を引っ張ってくれる。
私は最後まで、伝えきれなかった。
低学年の頃、私は彼女が嫌いだったって事。でも、今は大好き。
貴女を思い出さない日はない。
「ばいばい、」
私はそう言って、彼女の家を出た。これが、最後の日だと知っていたけれど、いつも通り帰って行った。
彼女に私の悲しみを悟られたくなかったから。でも、笑顔を貼り付けた私に彼女は気付いただろうか。
気付いていなかったことを願う。だって、最後の日くらい笑顔で居させて。
始業式の日。彼女は、居なかった。それに、彼女の家はもう空家になっていた。
私は、涙を流さなかった。これは夢なのだと、嘘なのだと、どこかで信じていたから。
私の前で、隣で、笑ってくれるのだと。信じていたから。でも、やっぱり彼女は居なかった。
クラス表を何度見ても、彼女の名前は無くて。現実を突き付けられたような感覚。
それでも。
私は涙を流せなかった。
何故か私は、涙を流せなかった。泣きたかった筈なのに。叫びたかった筈なのに。
やっぱり怖がりの私は、そんなこと出来なかった。今なら、泣けるのにね。
一人、ベッドの中で。声を押し殺して。会いたい、って。
今年、年賀状を書いた。何ヶ月も、手紙を返せなかったから。
だから、その代わりに年賀状を書いた。でも、返事は返ってこなかった。
手紙の返事は、まだ来ない。待ち続けて、何ヶ月経った?
もう、会えないのなら。過去に戻りたい。戻ったら。
せめて、最後に。
ありがとうと伝えたかった。
(ありがとうを) (伝えられないまま)
【Fin.】
書いてる途中、泣きかけた。
今どうしてるかなあ、と思って。
今思えば、本当に好きだった人は彼女だけでした。
本当に友達だと思った人は、彼女だけでした。
また会えたら、真っ先にありがとうを伝えたいな、と。