BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【企画】ヘタリアでBL小説。【実施中】 ( No.108 )
- 日時: 2012/04/23 16:44
- 名前: 夜藍 (ID: xBHsg906)
- プロフ: http://www.youtube.com/watch?v
episode23
「求めて愛する」
・アルマシュです。家庭的で、でも少し変態チック。
暖かい…とアルフレッドは呟いた。
眼下にある湯気の立つ食べ物…ホットミルクと一緒に並べられたホットケーキを交互に見、その後に作ってくれた彼の顔を見た。
「マシュー、君は本当にホットケーキが好きだね。」
洗い場で先ほどまで目の前にあるホットケーキの生地を焼いていたフライパンを洗っているマシューに半ば呆れ気味にアルフレッドは問いかける。
マシューはフライパンに「ご苦労様」なんて可愛らしい事を言い、フライパンを片付けると、サッと手を洗い、タオルで拭くのが面倒だったのか服で手を拭きながらアルフレッドのいるテーブルまで来た。
片手にはメイプルシロップが握られている。
「昨日のおやつだってホットケーキだったじゃないか〜」
「ホットケーキじゃないよ!昨日のはパンケーキっていうの!」
ムッとしながらマシューが言い返す。
わざと頬を膨らませて木の実を頬袋に詰めたリス状態だ。
「そんなの知らないよ!第一あれだってこれが小っちゃくなっただけじゃないのかい?」
「…アルは味覚音痴だからわかんないんだよ。ちゃんと味の違いもあるからね?」
アルフレッドの話を聞きながらマシューは片手でメイプルシロップをホットケーキに大量にかけている。
「味覚音痴なのは俺のせいじゃないんだぞ。」
「それは…まあ知ってるけど…」
苦笑しつつマシューは口にホットケーキを運ぶ。
「でも一概にアーサーさんのせいとは言えないよ」とアーサーを庇いつつアルフレッドの話を聞く。
一方のアルフレッドは口を尖らせたり、「えーっ」とわざとらしく大きな声で叫んでみせる。
そんな時にアルフレッドがいきなり立ち上がった。
ガタン、と大きな音を立てて食器が揺れる。
「アル、どうかしたの?」
マシューが不安そうな声音で聞くが返事はなく、代わりに頬に手を当ててゆっくり顔を近づけた。
触れ合う、睫毛と唇。
一瞬の事でよく分からず、不覚にもマシューは口を開けたままだった。
あ、ヤバい…と思った時にはもう遅く、アルフレッドの舌が口の中に侵入してきた。
マシューの口の中にはホットケーキが残っていたがアルフレッドの舌はそれおも絡めっとってゆく。
「ちょ…アル…っっ…んん…ぁ…」
シン…とした部屋の中舌が触れ合う音とマシューの声だけが聞こえる。
力がだんだんと抜けていく。
マシューの手からホットケーキを食べていたフォークが滑り落ちた。
カシャン…
金属独特の音がした時、堰を切ったようにアルフレッドは唇を離した。
「もう!!いきなりなにするのっ!?」
「え、求愛行動なんだぞっ!」
「何がだよも〜〜〜〜!!」
マシューはアルフレッドの体をぽかぽかと殴った。
二人は今日も平和です。
「マシューの声、可愛かったんだぞ。」
「はあっ!?」