BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【企画】ヘタリアでBL小説。【実施中】 ( No.122 )
日時: 2012/05/03 11:10
名前: 夜藍 (ID: DZWfhZUD)
プロフ: 祖父の家なう。GWっていいね。

episode28
「鈍感男と正義のヒーロー」
・米英です。いろいろとごちゃっとした物語。

君には負けるよ。本当に。

アルフレッドは窓辺で頬杖をついている彼をみてそう思う。

いつだって同じだったあの頃も、離別したあの日も、会議でわーわーと騒ぎ立てる今だって。
絶対に敵うはずのない、彼へ。
絶対叶うはずのない感情を抱いて。
昔からそうだった。いつだって君は俺の隣にいて笑ってくれたし、
いつまでだってあきらめずに俺を連れ戻そうとしてくれたね。

今もそうだったらいいのに…


きっと俺の声は届かない____________


「おいアルフレッド!」
「うわっ!!いきなり声をかけてこないでくれよ!びっくりするだろ!」
アルフレッドはアーサーをムッとしながら睨みつける。
「てめえがボーッとしてるからいけねえんだよ!」
「アーサーだって物思いにふけってたじゃないか。」
アルフレッドに言われアーサーはうっ、と言葉を詰まらせる。
確かに人のことはいえない、と気づき咳払いをしてから言葉を続けた。

「…これ。」
「え、資料かい?」
「忘れていってたろ?」
大事な資料だからキチンと管理しろ、といつも通りの厳しい口調で言うアーサーだがその言葉の中には優しさがこもってるようで。
アルフレッドは嬉しくなりぎゅっとアーサーを抱きしめた。


「Thenk you!感謝するよ。」
「あーはいはい。」


えらく薄い反応のアーサーにアルフレッドは口を尖らせた。

「君はこういうときに限って鈍感になるんだね。」
「ああ?どういう事だよ。」
「じゃあ君にもわかるような行動で示してあげるよ。」


そういったアルフレッドは、





アーサーの




唇に、




自分の唇を







重ね合わせた。