BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【企画】ヘタリアでBL小説。【実施中】 ( No.128 )
日時: 2012/05/05 17:31
名前: 夜藍 (ID: DZWfhZUD)

episode30
「嫌いと好きとあと一つ」
まさかのイヴァトリだよ。イヴァンちゃん好きです。トーリスも好きです。でも、暗いよ。トーリスキャラ崩壊。

「いいい、イヴァンさーん、お茶くんできました…」
いつものように弱々しい声がドアの向こうでする。
ソファーに座っていたイヴァンは立ち上がりにっこりと笑みを浮かべながらドアを開けた。
「ちょっと遅かったね。」
「すみません…」
緑の瞳が紫の瞳を見据えつつ涙を浮かべる。
その頭を撫でた後イヴァンはひょいとトーリスを持ち上げた。
ふぇっ、とトーリスが奇声を発する、それさえもイヴァンは楽しんでいるようで。

ソファーに座り自分の膝の上にトーリスを乗せる。
「ねえ、トーリスくん、君はいつまでそうやって演技をしてるつもり?」
「…バレてました?」
ニッコリと妖艶な笑みを浮かべつつ人差し指を口に当てながらケロッとして言い放つ。
その姿さえもイヴァンにとっては可愛らしいものだと思う。
「こんな事していいんですか?俺ナターリヤちゃんに殴られるの嫌ですよ?」
「いいじゃない、あの子にはちゃんと言っておく。」
くすっと笑い、トーリスの唇にイヴァンは自分の唇を重ね合わせた。
「別に、こんな事したって俺は貴方の事嫌いですよ?」
「僕は好きなのに?」
「どんなに苦労しても手に入らないものがあるのは貴方が一番わかってるでしょう?」

そう言って笑いながらトーリスはイヴァンに現実を突きつけてみせる。
彼がそんな事を言っても動じないというのは知っている事だが。

「じゃあ力づくでも奪ってあげる。」
「奪ってみてくださいよ。嘲笑ってあげましょう、イヴァンさんの事。」

好きと、
嫌いと、




愛してる。





狂気の愛はここで終幕。