BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: ヘタリアでBL小説。 ( No.19 )
- 日時: 2012/01/16 19:49
- 名前: 夜藍 (ID: Je/H7tvl)
episode7
「もういいどーにーでーもーなーれー」
・題名通りおもいっきりおかしいです。ギルフェリです。フェリちゃんは天使じゃないです。悪魔です。人名です。
「なあフェリちゃん…」
近づいてきた銀髪と紅い、赤い目をちらりと見、フェリシアーノは少しため息をついた。
のと同時に内心でこっちくんなと毒づいた。
銀髪と紅い眼の持ち主_______ギルベルトは少し顔をしかめる。
彼にフェリシアーノの心の声が聞こえてる訳ではないだろうが、おもいっきりフェリシアーノの表情に出ているのだ。『こっちくんな』が。
「なーんで最近フェリちゃん冷たいんだよ〜俺寂しいぜ…」
「冷たいも寂しいもないよ!別に俺は寂しくないからいいの。」
このまま寂しくしたままで良かったかもと考えた。
なんのためにルートの家にわざわざ来たのかと頭を抱える。
ギルベルトに話があるやらなんやらと言われ来たのだが、当の本人はフェリシアーノが来てくれた事に歓喜してもう覚えていないらしい。
大事な話だったらどうするんだとまたため息をつきたくなる。
(まあその時はルートに聞けばいいんだけど…。ギルベルトが知ってる事ルートが知らない訳ないしね…)
フェリシアーノのがそう思うのも無理はなく、はっきり言って弟のルートヴィヒの方がしっかりしているのだ。
踊っていて全く進まない会議をまとめ上げるのも彼の役割の様になっているし…まあそうさせているのはフェリシアーノのせいでもあるが。
だがギルベルトも根は真面目で厳格であるという。
…もっともフェリシアーノはふざけている彼の姿しか見たことが無いためあまり信じがたい。
そんなギルベルトは図々しくもフェリシアーノの肩に顎をのせている。
それを横目でチラリと見、ギルベルトでもわかってしまうようなとても嫌な顔をした。
今度は「何コイツうざい」というのが顔に張り付いている。
「フェリちゃん、ガラスのハートってやつなんだよ俺は…」
「うるさい、黙れ、どっかいけ。」
「話聞いてた!?ねえ!?」
フェリシアーノはしっしっと手をひらひらさせあっちにいけと誘導するがこれがまたなかなか動かない。
変な所で強情なんだから、と溜息を吐いた。
「なあ…大切な話って言った、だろ?」
「え、ああうん…」
いきなりだなと思ったがその話をしに来てるのだから思い出してもらわなくては困る。今思い出したのかと少し頭を抱えたくなったがこの際どうでもいい。
話はしっかり聞かないと。
「この前の返事、どうなった?」
「…え。」
「あれだよ、…こ…く、は…く?」
フェリシアーノは目を見開き、肩のギルベルトを見た。
いつになく真剣な顔。
赤い、紅い瞳がこちらを見ている。
恥ずかしいから…と封じていた。
きっとこのことなんだろうなとうすうす感じてはいた。
答えを先延ばしにしたのは時間が欲しかったからだ。
そして気づいた。
自分は曲がりなりにもギルベルトの事が_______________。
ただ頭を縦に振った。
それだけで精いっぱいだった。
「フェリちゃん、それって…」
「…言葉では言えない。恥ずかしいし。」
数分の、沈黙。
長い、永い、ながい、時間。
「もういいよ、ギルといてさ、どーにでもなっちゃえって思えたの。」
「何それ、俺頼りねえ見てぇじゃんか。」
口を尖らせる銀髪にフェリシアーノは向き直った。
そして、微笑んだ。
「これからよろしくね、頼りない黒鷲さん。」
曇った空に、晴れ間がさした午後の出来事。