BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【二次創作】箱庭の中で【BL、NL】 ( No.191 )
日時: 2012/08/06 13:43
名前: 夜藍 (ID: eVWzcu6j)
プロフ: http://www.youtube.com/watch?v=CNzPQy7SAz0

episode43
「さようなら。でも、」
・曲お題。アルアサで人名表記。あんましアルくんは出てこないってばよ。眉毛さん目線で回想的な感じでアルくん登場。


別に、もう、どうでもいいや。


途切れ途切れに心の中に浮かび上がった言葉の羅列が、
自分の存在まで否定しているようだ。


ずっと、なんて叶わない事だ。
貴方を連れて生きてゆく、なんて。


知っている、いやそれはついさっき知った。
一人ぼっちになってしまった。何度目かもう分からない。
アイツに俺は何を与えれたのだろう。
いや、奪い取ってしまったものの方が多いんだと思う。
だからアイツは俺から離れたんだし、俺から逃れて一人、生きていく事を決めた。

強国に、なっていくだろう。アイツもまた。
俺から離れた理由は強くなりたかったのもあるだろう、
本当はそうなってほしくはない。
俺と同じような道を辿っていくのはやめてほしい。

高みを目指すことは、
強くなるという事は、
それと同時に周りに張り合える相手がおらず、
孤高だという事だから。

一人の怖さと、強いがための周りの視線。
妬み、恨み。嫉妬だってある。
それの恐怖だってなにもかも一番俺が知っている事なのに止めれなかった。
仕方ないと思ってしまった。

家の近くにある庭園は花の香りと大きな木が揺れるだけで、
たまに遊びに来ていた無邪気なあの子供だったアイツの声も聞こえない。

アイツが植えた木の苗が育って、育って、高くなって、俺を追い抜かして。
まるで今の状況を形にしたみたいだ。
本当に綺麗に育ってゆく。本当に。
あの雨が止まない日、泣き崩れる俺をお前は真っ直ぐな瞳で見ていた。
責めるように、諭すように。
俺はからっぽだって嘲笑うか?
あの雨を吸ってこの木も、お前も大きくなったように思える。

「アーサー、君は、君は、小さくなったね。弱くなったね。」
「あんなに、大きかったのに。」


何を言おうと構わない。でも、裏切った事を忘れたとは言わせない。







さようなら。でも、


もう二度と私の敷居を跨ぐな。





心の奥底に静かにそれを仕舞い込んだ。