BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【二次創作】箱庭の中で【BL、NL】 ( No.207 )
日時: 2012/08/12 13:45
名前: 夜藍 (ID: Es192lT0)
プロフ: 黒←桃と春←メリの関係ってちょっと似てる気がする。

episode47
「君のその言葉が」
・一日遅れちづちゃん誕生日記念!!ちづメリです。短いぜ!!

「今日俺、誕生日なんだよねえー。」
わざとらしく紡がれた千鶴の言葉に茉咲は小さく「そう。」と呟いた。

赤く染まった住宅街に数秒の沈黙。
元々先ほどからそんなに喋っていないので茉咲はなんとも思わなかったのだが、千鶴はさらに数秒茉咲を見つめた後大声を上げる。

「もっとなんかねーのかよ!!!」
「うるっさいわね!近所迷惑だから!静かにしなさいよ!」
茉咲の注意する声も十分大きく、布団を取り込んでいた主婦であろう人物に睨まれた。
千鶴が苦笑しながら主婦に向かいぺこぺこと頭を下げる。
金色の髪の毛が赤く照らされて揺れているのを見つめながら茉咲も頭を下げた。

そこから何歩か歩いた所ですぐに会話は再会される。
それはもちろん千鶴からで茉咲の顔を覗き込みながら言う。
「なー本当になんかねえの?」
口を尖らせながら「まあメリーはけちだからなんもでねーか。」と続ける。
ふっと離れていった金髪と蒼い双眼。
その横顔をチラリ、と見た後茉咲は空気を少しだけ吸い込み、そして吐いた。

「誕生日、おめでとう。」
小さな声だったが千鶴には聞こえたようで、少し目を見開いてやや上擦った声で「お、おう。」と答える。
横に立っている千鶴を見ると少し赤くなった耳が夕焼けに照らされていて少し笑えた。

「なあ、メリー。」
「何よ。」
「やっぱ俺、メリーの事好きだわ。」
にかっと笑う千鶴を前に茉咲は「な、な、」と顔を真っ赤にして口をパクパクしている。
「なんでそう言う事っ!い、言うのよ!!」
「あー、ごめんって!叩くな叩くな!!痛い痛い!」
ぽかぽかと自分の腕を叩く茉咲に千鶴は笑いながら。


君のその言葉が、俺にとってどれほど嬉しいものだったか、知ってる?




「ちゅーしていい?メリー。」
「あんま調子乗ってるとぶっとばすわよ。」
「はい、すみません。」