BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【誰か】箱庭の中で【リクエスト下さい】 ( No.216 )
日時: 2012/08/16 10:37
名前: 夜藍 (ID: Es192lT0)

episode49
「花一匁」
・菊朝です。菊さんがイケメンなのが書きたかっただけなのよ。


「アーサーさん。」
縁側に座っている菊がくるりと振り返り、アーサーに話しかける。
菊の愛犬、ポチを撫でていたアーサーはポチを撫でる手を止め「なんだ?」と答えた。
「私の家に伝わる童謡があるんですよ。」
いきなり、とアーサーは思ったが何か話をしたいんだろう。さっきから一言も話していない。
すると菊は静かに歌いだす。

かって嬉しい花一匁
まけて悔しい花一匁
たんす長持ちどの子が欲しい
どの子じゃ分からん
相談しましょ
そうしましょ



「その歌がどうかしたのか?」
「かって嬉しい、まけて悔しい…私とじゃんけんしてください。勝負です。」
「はあ!?…まあいいけどよ。」
「じゃあ行きますよ。ロック、シザース、ペーパー!ワン、ツー、スリー!」
片言の英語で紡がれたじゃんけん。
そうして出された手は…

アーサーがシザー(チョキ)。
菊がロック(グー)。

「うっわ負けた。」
「かちました!じゃあ、ですねえ。」

クスッと菊は笑ってアーサーに抱きつく。

「貴方が欲しいです、アーサーさん。」


「おい、ちょっとまて、欲しい、え?」
「プロポーズですよ?こういう時だけ鈍感ですねー。」
むぅと菊は頬を膨らます。
そっと風が頬を撫で、菊の黒髪が風に溶けて、揺れる。
アーサーの髪の毛もキラキラと輝きながら揺れた。
それより翡翠の色の瞳の方が揺れていたが。



「アーサーさん、答えは?」
「YES、で。」