BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【二次創作】箱庭の中で【リク募集】 ( No.218 )
- 日時: 2012/08/20 10:55
- 名前: 夜藍 (ID: eVWzcu6j)
episode50
「糖度がお高めで。」
・3Zでぱっつち。既に付き合ってます。土方さんが攻めっぽい
ありきたりすぎて、笑える。
心の中は嘲笑で満たされていた、そんな午後六時。
秋の空は意外と暗い。だが向こうの方はまだ赤く雲がふわふわと浮いている。
電気をパチン、と点けると「眩しっ、」と言う土方の声が漏れた。
ゆるゆるとうごめくたびに揺れる黒髪が少し艶めき、光っている。
「お前目ェ悪くなるぞ。」
「ご忠告どうも。」
お礼にしてはあっさりして、本当にありがたいと思ってない声がするとふわふわ天然パーマの頭をかきながら銀八は溜息を吐いた。
「付き合って四か月だぞ?なのにこんなに懐かないもんかねえ?」
「俺は懐いてないつもりはないです」
銀八が土方の席の前の椅子に腰を掛けると土方は「あ」と思いついたように顔を上げる。
「授業でわかんないとこ教えて下さい。」
「んなもん、俺もわかんねぇよ。」
「…」
それでも教師か、と土方は呟いた。
自力で解けないなら先生に聞こうって思うやつはまあまあいるだろうに、それに備えてお前も勉強とかなんとかしてねえのかっての。
だが銀八にそういう常識は通用しない。
それは土方がよく分かってることだった。
だって男と付き合うなんて常識的にありえねえ。
「先生ってとことん変な人ですよね。」
「そりゃよく言われる。ってかお前もだいぶ変な奴だけどな。」
ちょい、と土方の頬を人差し指でつつく。
土方はむ、と嫌悪感を露わにした表情でその指を払いのけた。
そして銀八にゆっくりと口づけをする。
二人の間にある机という障害物のせいで深い口づけはできなかったが土方は満足げに微笑み「子ども扱いすんな。」と席を立つ。
「ちょっと忘れ物。待っててよ、先生。」
わざとらしく紡がれた“先生”に銀八は苦笑した。
煙草の香りと、
甘い甘い飴のような匂いが唇に残る。
土方は笑いながら子ども扱いなんてさせねぇよ、と唇を触った。
「あのマセガキ。覚えてろよ…」
次戻ってきたときに、どんな悪戯をしてやろうか。