BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: ヘタリアでBL小説。 ( No.23 )
- 日時: 2012/01/29 12:19
- 名前: 夜藍 (ID: Je/H7tvl)
episode8 「ウタカタ」
・日本さんがお病になりますた(^q^)アーサーさん攻められます。菊朝です。なんかパラレル
幾度となくあれから季節が流れて行った。
思えば、あれは…
「アーサー…カークランド…」
日本の脳内でその名前が何回も何回も響き渡っている。
それは失ったはずのずっと、ずっと前の記憶だった。
そして最近、映像の様なものが見えてくるようになったのだ。
_____________________私達、ずっとずっと一緒ですよね。
_____________________一緒だ。ずっと、ずっと。
_____________________嘘ついたら針千本のましますよ?
____________________菊のそれは本気に聞こえるからいやだな。
____________________そんな事いって…。
日本とイギリスに似た二人が笑いあい、会話を交わし、そして唇を重ねあわせて______________
(これは…きっと…)
信じてはいなかったがこう自分の身に起こってしまっては信じるほかないだろう。
前世_________________
(私が私になる前の、記憶。)
今になって、何故よみがえるのか。
それは疑問であったが理由は見つかった。
「私自身が、イギリスさんを、求めている。」
とぎれとぎれに日本は呟いた。
菊、じゃない。日本として。
アーサー、じゃない。イギリスを。
とめどなく溢れる思いは
とめどなく溢れる想いは
「日本、どうしたんだよボーっとして。」
当事者のイギリスが日本に話しかけてきた。
心配しながら日本を覗き込んでいる。
「…ぎ…り…す…さん…」
ふっと日本は顔を上げた。
その翡翠の瞳を見ると切なくなる。
あなたもどこかへ行ってしまうの?
“アーサー”の様に。
引き留めたい
どこにも行かないで
お願い
独りにしないで
独りは嫌だ
嫌だ
お願い。
「イギリスさん。」
「…どうした?」
「ずっと…」
一緒にいてくれますか、と日本は笑った。
「え、」とイギリスから短い声がする。
返事を聞くよりも先に日本はイギリスを強く強く抱きしめた。
強く強く抱きしめて
きつくきつく締め付けて
甘く苦いキスをして
とろけるような闇へ落ちた。
今度は裏切らないでね
ベッドの中で静かに笑う
美しい妖しい黒髪。