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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【二次創作】箱庭の中で【BL,NL】 ( No.230 )
- 日時: 2012/09/22 11:07
- 名前: 夜藍 (ID: ty0KknfA)
episode55
「拒絶」
・悠祐。タイトル通りのあれです。悠太くん病み気味
祐希、と呼ぶか細い声に俺は振り向いた。
いつもの事なのだが、今日は少し違う。
声のトーンとか、ゆるゆると動く両腕とか、表情とか。
俺に向かってゆっくりゆっくり手が伸びる。
それは紛れもなく悠太の手で。
指先が頬に触れる。
熱が伝わる。
頬が手のひらに包み込まれてようやく気が付いた。
「ねえ、悠太何しようとしてるの…?」
少し震えてしまった声には答えず、悠太は微笑しながら行動を続ける。
__________逃げなきゃ、でも動けない。
体はいう事を聞かず、動くこともできないままで。
俺は悠太にキスをされた。
キスされた直後、悠太の事を思いっきり突き飛ばしてしまった。
でも悠太は「そうするってわかってた。」と言うような表情を作ってこちらに笑いかける。
なにを考えてるの、悠太。
俺たち兄弟なんだよ、キスなんて、ねえ悠太。
ファーストキス、なんだろうか。
あのファミレスのバイトで出会った小さな女の子とはキスしていないと断言しよう。
だとしたら、きっとこれって。
なんて最悪な、ファーストキス。
「拒絶、されても、俺は祐希の事、好きだからね?」
途切れ途切れの言葉が耳に突き刺さった。
きっと、もう逃げられない。
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