BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【二次創作】虹色パレット【BL、NL】 ( No.232 )
日時: 2012/10/03 09:41
名前: 夜藍 (ID: ty0KknfA)

episode56
「虹色パレット」
・せっかくなのでこの題名。キセキ黒です。キセキ←黒のが正しいかもしれない…


僕の周りには、色が溢れかえっていた。
全部、全部、綺麗な色。
鮮やかで、何よりも輝いている綺麗な綺麗な色。
僕はそれが、僕の事を考えて、頼りにしてくれているという事実が嬉しかったのだ。
パレットの中じゃ全然使われようとしない黒色でも。

一人色を持たない黒色でも。






でも、綺麗な色は、色を持っているからこそ時に残酷で。


赤色は鮮やかな赤から、どす黒い赤に変わった。まるで血の色の様に。
人をゆっくりゆっくり殺してゆく、流れ落ちてゆく、そんな赤に。

黄色は黄色だけで明るい色だったのに、他の明るい色も塗りたくったイーゼルを用意するようになった。
明るい色を見せながら、イーゼルの向こう側で、イーゼルの隙間から流れ込んでいく色は淀みきった色ばかり。

緑色は厳しいながらもおだやかな緑色だったのに、皆を静める緑色だったのに、いつか茨の様な色になった。
濃い、緑は人に傷跡を付けてしまうようになった。

紫色は変わらないようで、でも変わった。
元々は少し白の入った紫だったのにそれが無くなってしまったのだ。
黒色の目立つ紫色になって、ゆっくりゆっくり無関心を決め込むようになった。

青色は___________
青、は…
零れてしまった、殆ど。
黒色は掬い上げようと思った。
落ちていく青色を掬おうと思ったけれど。

それは出来ぬままで。



鮮やかな色は、色を持っているからこそ、変わってしまった。
僕は色を持たない存在だから変わらないし変われない。

きっとこのままでは彼らの色を汚してしまう。
僕は、黒は、色を鮮やかにはできないのだから。
濁った色にしかできないのだから。




黒は分離した。

虹色から、そっと離れていった。
誰にも見つかりはしないのだから、自分が居なくなったって。




         ○虹色パレット



______輪郭を描くのが黒色だとしても

______輪郭の内側の綺麗な色に黒が染み出してしまえばそれはきっと、