BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【二次創作】虹色パレット【BL、NL】 ( No.236 )
日時: 2012/10/29 08:11
名前: 夜藍 (ID: ty0KknfA)
プロフ: みどたかでござーる。

episode58
・緑→(←)高です、たぶん…。本誌のネタバレ含みます注意!




自分を強がりだとアイツは言った。
別にそんな事は一つだって思わない。「強がりではない、強いのだ。」と言うと、アイツは呆れ顔で、それでも笑いながら「まーたそんな事言ってー」と声をあげていた。

前の席のアイツ________高尾はいつでもヘラヘラしてるような奴だった。
いや、真剣なときは真剣なのだがとりあえず笑ってる、そんな感じだ。

だがその笑顔はいつの日にか影を落とすようになった。
_______心の奥では笑っていないくせに、なぜ今笑う?
疑問と苛立ちがいっぺんに押し寄せてきた。
だが、そこは我慢だ。爆発させることはやめた。
ヘラヘラしているようで何か考えているコイツの事だ。きっと今も何か考えてるのだろうと、そう思った。

思えば、忠告しておくべきだったのかもしれない。
泣かないと、笑えなくなる。笑えないなら、泣くこともない。
そう、高尾は泣かなかった。俺の前では決して泣いたりしなかった。
なんだお前の方が強がりじゃないか、そう言ってやれれば良かったのに。





あの日、高尾が言ったのは「ゴメン」という言葉。
謝る言葉。
なんでお前が謝る必要があるのだよ。
でも、高尾はその時泣いていた。
少しホッとした。
ホッとして、泣いた。
もちろん悔しいのもある。でも高尾が泣いていてホッとして泣いている自分がいて。

目を閉じて流れ落ちたそれを高尾は不思議そうに見つめた。
そんなに、珍しいか。
でも高尾の言っていた強がりは、今、分かった気がする。
口の端を上げて、俺は泣き続けた。
静かに、静かに。



○きれいなひとしずく



________俺を強いとお前が言うなら
________お前はなんて綺麗なんだろうか



お前が泣けない分の涙を流そう。