BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【二次創作】虹色パレット【BL、NL】 ( No.241 )
日時: 2012/11/19 08:02
名前: 夜藍 (ID: ty0KknfA)

episode60

・緑赤。赤司くんがヤンデレ&女々しいです、ちょっと血表現あるよ!






京都と東京ではなかなか会えないな、なんて少し悲しい顔する君に僕は笑いかけた。
大丈夫、真太郎の為ならいつだってこっちにくるさ、そう言って。
そうすると真太郎が笑ったから嬉しかった。

嬉しかったんだよ。




「遠距離って、心の距離まで離れていくのかい真太郎?」
「別にそんなことはない。俺の心は離れていったりはせん。」

珍しく赤くなりながらそんなセリフを吐く真太郎は今僕の隣にいる。
そんなセリフ、そんな言葉、昔は聞かなかったのに。
僕の知らない君が増えていく。耐えられないなあ…
距離があるって、真太郎を近くで見ていられないんだもの。
その綺麗な緑の瞳も、長い睫毛も、綺麗に爪が整えられた指先も、たまに笑ったりする薄い唇だって。
なんにも見れやしないの。抱きしめてほしいのに、そのしなやかな腕で。


ああ、君をここで殺せれば、僕は君を永遠に見続けられるのに。
ホルマリン漬けにでもして隣で眺めていたいくらい。


「女々しい質問だけど、真太郎。僕の事が好きか?」
「ああ、もちろんだが?」

そうやって言う君の瞳は僕をちゃんと見ているかい?
目を少しでも逸らされたら僕は少し悲しいよ。
ほら、今目を逸らした。
きっと何か隠し事があるんでしょう?

「僕は僕を見ない真太郎なんて嫌いだよ…」
「赤司…?」
「ねえ真太郎…」

僕はそこにあった赤い鋏を右手に持って、真太郎の頬をその鋏の先で掠める。
赤い、液体がつうっ…と流れ出した。
真太郎の白い頬に、良く映える、赤色。
ね?君を綺麗にするために僕は必要でしょう?

そうそう、緑と赤は補色同士なんだそうだよ?
お互いに補っていかなきゃいけないんだ。

「赤司、なんのつもりなのだよ、痛い…」
ヒリヒリする、と言う真太郎の頬の傷を僕は舌で舐めとった。
「…っ!」
「大丈夫、僕が治してあげるから、ね?」

失ったものは、僕が補わなきゃいけないんだから。

そう笑うと真太郎は僕をゆっくり抱きしめた。
僕は必要、でしょ?




〇補色



_______君を補うならなんだってしよう。

_______誰かを傷つけるとしても。