BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【二次創作】虹色パレット【BL、NL】 ( No.252 )
日時: 2012/12/30 13:35
名前: 夜藍 (ID: ty0KknfA)
プロフ: きいろいこのはなし

episode65








とてもとても、自慢できるような人生ではないと思う。
キセキの世代と言われることには誇りを持っている。
モデルと言う職業だってそうだ。
なんでもできるね、と言われて照れたように笑う。


笑う、フリをする。




最低な人間だと思う。
ノートの一ページに全て収まってしまう。
なんて薄い、すぐに丸めて捨てられるそんな人生。

そんな人生でも誰かに認めてもらいたいと願う。願うだけではだめだから、笑った。ニコニコ誰にだって。
営業スマイルほど苦しいものはない。職業柄それをしなければならないのは理解している。理解はしているのだが。
そういう風に計算して答えを出せないものはたくさんあって、それがずっと解けなくて、一人取り残された。
待って、置いて行かないで、なんて弱音を吐いたりはしないけれど、ただ悔しかった。カッコ悪い、居残り授業のようだ。

早く、早く抜け出したいのに。

ほら、こうしてる間にだってアイツは前を進んでいく。青い、青い光。
「青峰っち、」と呼びかけてもこの距離ではもう声が届かない。遠い、遠い存在。
ただそれに今は憧れる。憧れて、それだけの人生。
あの人みたいになりたい。そう思ってきた。
だからこそコピーと言う技が生まれたわけなのだが。



でも、もうそれだけの人生は嫌だ。



昔は何でもできた。だからつまらなかった。
やりたいと、夢中になれるようなそんなものが無かった。
でも今はこれがある。バスケがある。これで絶対に青峰っちに勝つって、そう決めたんスから。




○Hello worker


______ほらほらだから今日くらいは

______俺に勝利を下さいよ。



眼前の彼に鋭い眼差しを向けて。

「憧れてしまったら越えられない。だから憧れるのはもうやめる。」