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episode６７







「かーげーやーまーあああ」
「うーるーせーえー」


体育館に響き渡る声は非常に力のこもらない物だった。
脱力感、の三文字が最高に似合う声を二人は吐き出し、そして今日もまたいつものように練習を始める。
先輩よりも早く、と来てみたら本当に誰も来ておらず。
まあ朝の四時だから。居る訳ないのだが。
…こんなに早く来ていたら逆に怒られるかもと今更胃痛がしてくる影山をよそに日向の方は「ほら、レシーブ練！」と急かしてくる。

人の気持ちも知らないで、と一瞬睨みつけてやろうと思ったがその後の会話がめんどくさくなることを予想しやめた。


あー寒、と吐く息は体育館の中であろうと白く、生温く。

そして今日もまたふわり、と打ち上がったボールを代わりばんこに受けるのだ。


そう、いつも通り。
いつも通り。




○朝焼けの


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿いつも通りを壊したくなくて
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿今日も自分の気持ちを隠し通す