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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【二次創作】虹色パレット【BL、NL】 ( No.261 )
- 日時: 2013/01/06 09:41
- 名前: 夜藍 (ID: xJkvVriN)
- プロフ: キセキ←黒恋愛的な意味合いはないかも。
episode68
あの中に混ざりたいと思うことは何回もあった。
綺麗な色。とても鮮やかで美しい色。
憧れては追いかけて、一度は諦めて、追いかけた。
そして僕はあの中に入った。
あの人達と持っている色は違った。
色を持たない色。それが影であり黒であり、そして僕だった。
最初は楽しくて、皆と過ごす毎日が楽しくて、大好きで。
でも静かな崩壊が始まってしまった時に僕は彼を助けてあげられなかった。
彼はバスケをやめようとしていた僕を助けてくれたのに。
きっとそう、やっぱり僕は誰も助けられない無力な存在。
このバスケ部もおかしくなったとは思うけれど、どちらにしろ僕は色を持たなかった場違いな存在だったんだと気づかされた。
分かってはいたつもりだった。
彼らと僕は違う。錯覚してはダメ。一緒に居るからといって、一緒にプレイしているからといって彼らと僕は違うのだと。僕が手に届くはずもない存在だって。
そこまで考えて閉じていた瞳をふっと開ける。
するとそこでクラスの女子の会話が耳に入ってきた。
「知ってるー?色ってさ、明るすぎたら色がなくなっちゃうんだって。」
「へえ〜…じゃあどうすんの?」
「だから、それを防ぐのが黒色らしいよ。黒色ってなかなか絵の具の中で減らないけど大事な色だからなくしちゃダメだよーって美術の先生が言ってた。」
「そーなんだー…あ、私黒色持ってたっけなー…」
その会話を聞いた後、僕はまた静かに目を閉じた。
笑いながら、静かに。
○色に憧れた、
__________色のない色は
__________色に憧れては夢を見る。
少し、期待してもいいのだろうか?
彼らの役に立てた事を、少し期待しても。
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