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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【二次創作】くるくるめりーごーらんど【BL、NL】 ( No.265 )
- 日時: 2013/01/15 15:09
- 名前: 夜藍 (ID: ty0KknfA)
- プロフ: 黄(→)←赤 なんか赤司さん女々しい
episode69
久しぶりに香ったシャンプーの匂い。
くるりと振り向いてみればどうだろう、ああやっぱり。
ああやっぱり。
「赤司っちじゃないっスかー!」
屈託のない笑顔をこちらに向け近寄ってくる金髪の少年。
僕と同い年で同じ中学で同じ部活のチームメイトだった人。
黄瀬涼太はニコニコ笑いながら僕の前で立ち止まった。
「どうしたんスか?こんな所でー。」
「いや、久しぶりに実家に帰ろうかと思って。」
つい目を伏せてしまった。直視できない。あーもう、そんなに笑顔を向けないでくれ、恥ずかしいじゃないか…
そんな僕の気持ちなんて知る由もなく、涼太は話を続ける。
「あー、赤司っち京都住みっスもんねー。久しぶりにお母さんお父さんに元気な顔を見せるってわけっスか。」
「ああ、まあそんなところだな。」
見上げるというほどでもないが少し上目づかいにならないと見えないその顔はそれはそれは美しい笑顔で。
(ああ遠い)
(つかめない)
昔から自分の気持ちは何も変わらないまま。
ずっとずっと彼が好きだった。
でも何も言えないままで、それでもいいのかもしれないなんて思った時もあったけれど。
いつか、いつかあなたに伝えられたらきっと、
「どうしたんスか?赤司っち。」
「あ、え、…いや、なんでもない。」
「っていうか赤司っち前髪どうしたんスか?」
「…邪魔だから切った。」
「え……まあ赤司っちらしいといえばらしいっスけど。それに______」
僕の手を引きながら涼太は笑う。
「似合ってるッスよ、赤司っち。」
○数センチ先の
_________切ってしまった前髪数センチぶん
_________あなたに近づけたらなんてらしくもない事願って。
「涼太、家まで一緒に来て。」
「…いいッスよ!喜んで!」
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