PR
BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【二次創作】くるくるめりーごーらんど【BL、NL】 ( No.271 )
- 日時: 2013/02/02 11:01
- 名前: 夜藍 (ID: vIJhruab)
- プロフ: 黒子くんへ 誕生日おめでとう 生まれてきてくれてありがとう
episode71
深海に沈んでしまった心ではもう、息さえ出来なかった。
ただゆらゆらと海面を漂いながら落ちて、沈んで、沈みきって。
圧力に押しつぶされて死んでいく。感情も心も。
ずっとそのままだってそう思っていた。
この学校に入って皆さんに出会うまでは。
死にかけで酸欠だった心に空気を与えて、もう一度僕を泳げるようにしてくれたのは誠凛の、このメンバー。
僕に泳ぐ居場所を与えてくれたのも、このメンバー。
だから、だから僕は、
「おい、黒子?」
耳に抜けていった声でふと我に返った。
瞼を開けて周りにいるたくさんのありがとうを伝えるべき人達に向き直る。
「皆さん、僕は皆さんに会えて幸せです。本当にありがとうございます。」
その一言で皆きょとんとしてしまう。まあそれもそうでしょう。いきなりこんな事。
するとカントクがいの一番に「あのねぇ、」と声を発した。
「今日は黒子くんの誕生日会なのに、なんであなたがお礼を言うのよ。」
そして僕の目の前まで来てニッコリ笑う。
「ここに居る皆、あなたにありがとうって感謝の気持ちが余るほどあるのよ。あなた以上にね!」
「カントク、そんな事…ありがとうございます。」
「あーほら黒子ぉ!」
僕の言葉を言い切る前ほぼ覆いかぶさるように小金井先輩の大きな声。
「今日はお前はありがとうって言っちゃいけないぞ!」
すると「そうそう、」と火神くんも頷いて僕の頭をいつものように撫でながら言った。
「今日は俺らがお前にありがとう伝える日だぜ、黒子。」
○深海魚の呼吸
________ああ、酸素をもらって思う
________呼吸してることが幸せだって
「皆さん、皆さん、」
今度は涙で溺れてしまいそう。
PR