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episode７３




ずっと好きでしたと言えばよかったのだろうか。



それを心の中で思い、自分自身で嘲笑した。バカじゃないのか、そんな事言えるはずもない。
この言葉を聞いたら何人の人間が「一途だね、」なんて微笑むのだろうか。そんな高尚なもんじゃねえよ。俺はもっと汚れてる。

確かに言葉通り、「一途」ではあるかもしれない。実際、あいつ＿＿＿＿＿＿ヅラの事は寺子屋にいた時から好きだった。
だがそこにある感情そのものは淀み切っていた。どろどろ、汚い感情が。

どちらにしろ俺はヅラを愛しきれなかったと思う。
あいつの「愛しきる」がどういう形か、明確には分からないがきっとそうだろう。

今、あいつの事を愛しているのは誰なんだろうな。
少し気にならなくもない。だが、なんとなく見当はついている。
そして煙を吐いて、空を見上げた。




○別れ道


＿＿＿＿＿＿＿＿＿俺が選んだ道にお前がいないなんて、

＿＿＿＿＿＿＿＿＿それが分かっても俺は、