BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【二次創作】永久睡眠時間【BL、NL】 ( No.301 )
日時: 2013/05/04 18:53
名前: 夜藍 (ID: JuyJRz6j)
プロフ: フライングですが おたおめ土方さぁん! 銀→←土

episode82




街中を駆け回ってはしゃいでいる子供たちを横目に煙草をふかし、振り返る。
さっきから薄々気配はしていたものの…やっぱりお前か、と土方は呆れ返った。
「おいこらストーカー。」
「誰がストーカーだ!」
いやストーカーで反応してるじゃねぇか、と突っ込みたいところだが言い合いとか本当、見苦しいなと思ったのでやめておく。
ただその代わりに自分をつけていたもストーカー野郎________もとい坂田銀時の頭を鷲掴みにして街中を引きずり回そうと決めた。
「おい、おい、土方くぅーん?聞こえてますー?」
「聞こえてますけどー?なんですかー?」
「これどういう状況なのかなぁ?」
「哀れなお侍さんが警察に引きずられる処罰を受けてるっつー状況だな。もちろんストーカーの容疑で。」

痛い痛い痛い!という銀時の叫びには耳も傾けずそのまま土方は引きずり続ける。
ズリズリ、ジャリジャリ、きっと背中は傷だらけになっていることであろう悲惨な音が鳴っており叫ぶのも無理はない。
「ちょっと待て、おい、ちょっと待て!話を聞け!引きずるのをやめろ!」
「…くだらねぇ話だったら屯所行きな。」

銀時のその一言で土方は歩みを止め、頭を掴んでいた手をパッと離す。
背中についた泥を払い、呻きながら腰を上げる銀時。
ふかしていた煙草を溝に捨てて土方は腕を組んだ。
「…で?話って何だ。」
「いや、ほら、お前今日何の日か分かってるか?」
そう言われて考えてみても思いつくのは一つだけだ。
街の家々に飾られてる鯉のぼりが今日はその日だと主張している。
「…こどもの日?」
「ちっげーよ!お前の誕生日だろーが!なんでお前自分の誕生日も覚えてねぇんだよ!」

銀時に絶叫されて納得する。ああそうか、そうだった。今日って俺誕生日だったんだ、と。
「…すまん、今言われて気づいた。」
「だろーな!そんな反応だったもんな!」
「っつーかだから何だよ?それがお前が俺をストーカーしてたのとどういう関係があるんだっての。」
腕を組み直し、不服そうな表情を浮かべる銀時に土方は問う。
銀時は俯き、気だるそうに首に手を当ててみた後「あー、もー!」と叫んで土方に向き合った。

「祝ってやりたかったんだよ!誕生日を!なんか一言でもいいから言ってやろうと思って…でも俺そういう柄じゃないし?気持ち悪がられるだけだと思って?タイミングもわからないし?気づいたらこそこそついてきてたってわけだよ!どうだ、納得したか!?」
息継ぎもしないまま弾丸のように浴びせられた言葉の羅列に土方は首を傾げる。
「…なんで俺を祝おうとか思ったんだ?」
「はい?」
「いや、だってお前俺の事嫌いじゃねーか。なのにわざわざ誕生日まで記憶して尾行してまで俺の事普通祝うか?」

首を傾げたまま土方がそう問うと銀時の顔がみるみる内に真っ赤になり、お前なあ…と呟き、震えだした。
「別にお前の事そこまで嫌いでもねぇし…それに…それにな!」
「…それに?」
「俺は、お前の事が、だな…お前の事がっ!」
すぅ、と深呼吸した後真っ赤なまま言葉を発しかけた銀時の唇の動きはちょっとまて!という土方の声によって遮られる。
「…待って、くれ。その先は、今は聞きたくない。」
は?と疑問を浮かべ顔を上げるとそこには銀時と同じくらい真っ赤な土方の顔。

(え、おいこれってもしかしたらもしかして、か?)

ニヤッと笑い「じゃあ、今はいいや。」と銀時は不敵に笑う。



○両思い、未完成な恋。

________誰よりも意地の悪い、

________そんなお前なんか、別に好きなんかじゃ、





「…誕生日おめでとさん。」
「…どーも。」



((告白はまだ先でいいや))