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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【二次創作】泡沫少女【BL、NL】 ( No.323 )
- 日時: 2013/08/12 16:56
- 名前: 夜藍 (ID: rfy7IlR/)
- プロフ: レーズンパンの話 緑高
episode90
「ちょ、ぐっぁ」
俺の両手はその行為を止めようとして宙をひっかいた。
それは宙をひっかくだけで行為自体を止めることはなく、パタリと床に落ちる。
床に体を押し付けられているため、起き上がろうと身を捩ってもびくともしない。眼前の男は、緑間真太郎はただその行為を淡々と行っていくだけだ。
「美味いか?」
「ふぐぅむぅぁ…」
美味くない、と言いたかったのに口をそれに塞がれてるせいで何も言えない。言葉を発せない。
押し付けられたそれを、レーズンパンを俺は無理矢理食べさせられていた。
なぜにレーズンパンなのかとか、それをなぜ無理矢理俺にこんな形で食べさせる必要があるのかとか、正直疑問しか沸かないがとりあえず苦しい。やめてほしい。
きっと苦しんでること自体は緑間にも伝わってると思う。
ただ緑間はこの状況を楽しんでるのだ。
まるで自分の所有物かのように俺を扱って、にっこりと笑う。
でもそんなことをされても俺の中に湧き上がるのは嫌悪感でもなんでもなく、ただ緑間が好きだという感情だけ。
異常なのはこいつだけじゃない、俺だってそうだ。
なんて優しい笑顔だろうなんて、少し思っていたり。
○独占欲とレーズンパン
__________この状況を心地よいだなんて思いはしないけど
__________お前の所有物にならなってもいい
詰め込まれたレーズンパンをやっとのことで咀嚼して、俺も笑った。
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