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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【二次創作】泡沫少女【BL、NL】 ( No.325 )
- 日時: 2013/08/14 09:22
- 名前: 夜藍 (ID: rfy7IlR/)
- プロフ: なんか暗い 日月
episode91
「もう笑うな。」と唐突に言われた。すごく低い声だ。日向が怒っている証拠である。
俺は鋭い眼光から目を背けて「なんで?」と聞き返した。
すると、日向はどこか困ったような、呆れたような顔をして溜め息を吐く。
「お前が、あまりにも…無理して笑ってるような気がして…いや、思い違いかもしれねぇけど…心配だしな…。」
俺の頭をゆっくり撫でながら言う日向に腕を回し、抱き着く。
「おわっ…!?」
急な出来事だったので体制を崩しかけたがなんとか持ちこたえた。
「ばれてた?」
「何が。」
「無理して笑ってること。」
「ああ、ばれてる。お前は分かりにくいから性質悪ぃけど…なんとなく。」
はは、とまた俺が笑うと日向は俺の頭を優しく撫で始める。
「またそうやって笑う…泣きそうな顔しながら笑うなよ。見てるこっちが辛い。」
泣きそうな顔、と日向は言うがそんなに俺は悲しそうな顔をしているのだろうか。
涙なんて目にひとつも溜まっていない。
「別に泣きたいなら泣けばいいじゃねぇかよ。」
「うん、でも泣きたくても泣けないから仕方ない。」
日向に回した腕に、指先に力を込めて。服を掴んで日向の胸にうずまる。
なんでもしたいようにして、できて、自然に笑えたら、泣けたら一番いいのだろうけれど、到底自分には出来ない。
だってずっとそうしてきたから。泣く場所は時は、いつだって決まってる。
○生活習慣病
________ずっとやってきた癖だから
________今更変わりなんてしない
少しだけ背伸びをして日向にキスをした。
日向が言った「泣きそうな顔」のまま。
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