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episode96





その横顔を見つめては高鳴る胸の鼓動をどうにかしてほしかった。
おかしいのは自分で、どうにかしてるのも自分で、そんな自分が何をどうにかしてほしいなどと助けを求めるのもおかしな話なのだが。




「ジャン、どうかしたの？」
覗き込む青い双眼にまたドキリとする。まるでサファイアのような綺麗な瞳は心配そうな色をたたえてこちらをジッと見つめている。
「いや、なんでもねぇ。」
実際なんでもありすぎるのだが、目を逸らし素っ気なく答えた。そうでもしないと本気で気がおかしくなってしまいそうだった。
ならいいんだけど、とアルミンは定位置に戻りご飯を口に運んだ。
約束をしている訳ではないのだが、二人で昼食を取るのが日課だ。そしてそれはどんなに寒かろうと、風が吹いていようと、雨でない限り屋上で食べる。

「あ、この玉子焼き美味しい！」
「お前人のおかず勝手に取るなよ…」
これも日常茶飯事なのだが、眉を下げて無邪気に笑うアルミンをつい許してしまう。
ああ、本当にヤバイ。本気でこれは、認めたくないけれど、これは、



○死んでしまえよ恋心

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿息を止めるように、

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿この恋を殺せたらどれだけ、










ここから飛び降りて死んでしまえ。