BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: ヘタリアでBL小説。 ( No.34 )
- 日時: 2012/02/13 19:31
- 名前: 夜藍 (ID: TM1He8zT)
episode10
「笑顔で」
とにかくマシューが可哀想です。アルが微妙に悪者扱い。メイプルティーです。あ、眉毛に罪はないよ!鈍感なだけだからね!!クリスマスネタバレ。
「アーサーさん、また手紙ですか?」
ランプの灯る、仄暗い部屋。
その部屋の隅っこの机に向かってアーサーカークランドは手紙をせっせと書いていた。
「ああ、こんなことはもうやめようってあいつに。」
アーサーは少し笑ってマシューの方を向いた。
それは悲しげで、どこか諦めた表情で。
(いくら書いたって、無駄なのに…)
マシューは机に積まれている大量の手紙に目をやった。
それらは全部マシューの双子の弟であるアルフレッドから送り返されたもの。
どれくらい、手紙を書いているのだろう。
何通も送っては返ってくるその手紙の山はアーサーを苦しめているようにしかマシューには見えなかった。
最近じゃ諦めた表情や、悲しげな横顔を見ることも多くなったような気もするな、とマシューは心配した。
でも一筋の希望があるのなら、彼は手紙を出し続けるのだろう。
しかしそれはマシューにとっても苦痛でならなかった。
マシューはアーサーの事を_____________________________
きっと自分の事をそばに置くのも自分の顔があのアルフレッドにそっくりだからだろうし、昔からアルフレッドの事をアーサーは可愛がってきた。
だからこそ、あのアルフレッドに似たこの顔が腹立たしくもあった。
けれどきっとアーサーは自分をアルフレッドに似てるから置いている、だとしたらこれでいいのだろうと無理矢理思うようにしたのだ。
(________________________アルはアーサーさんに反抗してアーサーさんの意見に耳を傾けようともしない。なのに、アーサーさんはそれでも…)
アルフレッドの方を向いてしまうのだろう。
自分じゃだめなのかと何度思った事だろう。
叶わないなんて、敵わないなんて、分かっているはずなのに。
「アーサーさん。」
でも今はせめて
「なんだ?」
彼と同じ顔で笑って見せるから
「アルが受け取っちゃいたくなるような方法、考えつきましたよ!」
だからあなたも笑って。
こんな事でしかあなたを振り向かせられないから
卑怯な僕を許して。