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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【二次創作】深海魚の笑い声【BL、NL】 ( No.342 )
- 日時: 2013/12/14 11:46
- 名前: 夜藍 (ID: 4pC6k30f)
- プロフ: イメソン 翡翠 青←桃
episode98
私は、彼に何をしてあげられただろう。
もう少し、もう少しだけ勇気があればあの時、と思う。
過ぎたことなど考えていても前には進めないし、仕方のないことだと理解するべきなのだとも思う。思うけれども。
それを過ぎたことや仕方のないことにしてしまえば彼の何かを否定してしまうようで嫌だった。そんなのわがままなのに。
本当に私は何もできなかった。
一緒にコートに立つ選手でなければ何か言葉をかけてはいけない気がして、誰かにお前に何がわかってやれるんだと言われている気もして。
私は彼のことをわかっているつもりだった。けれどそれは「つもり」でしかなくて、私は何も救えやしなかったのだ。
まず救うなんて考えが馬鹿馬鹿しいと言われそうなのだが。
きっと彼を救ってあげれるのは私じゃなくて他の誰かで、支えてあげられるのも他の誰かで、それをわかっているのに、なのに私はとても苦しい。
「大ちゃん」
人知れず名前を口にして、今日もひっそりと目を閉じた。
○翡翠
_________あなたの全てを包むには
_________私の腕は短く、頼りなくて
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