BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【二次創作】さよならネバーランド【BL、GL、NL】 ( No.360 )
日時: 2014/07/08 17:13
名前: 夜藍 (ID: DlcbEiJU)
プロフ: 見つめる話 アバブチャ

episode106







その黒髪を撫でると少し不貞腐れたフリを見せた後、彼は嬉しそうに笑うのだ。





「お前は、」
俺が声を発するとすぐに振り向いてブチャラティは「なんだ?」と笑いかけてきた。
「いや、なんだか上機嫌だなと思ってだな…そんなニコニコして。」
「なんだ人を笑わない冷血野郎みたいに言いやがって、心外だな。」
俺の言葉に反論しながらブチャラティはティーカップを二つ、目の前のテーブルに置く。
淹れたての紅茶からはまだ熱くて飲めない、というのを指し示すかのような湯気がもわもわと立っていた。
ブチャラティは俺の隣に座ると微笑を投げかけてくる。
その表情にしてやられそうになったが悟られないように咳払いをしたあとブチャラティを抱き寄せた。

「どうした?」
腕の中でもぞ、とブチャラティが動き顔をあげて俺を見つめる。正直あまり目を合わせているとなんだか死にそうなくらいに恥ずかしくなってくるのでやめてほしいところなのだが。
それでもなお頑なに見つめてくる視線に耐えきれなくなり俺が顔を背けるとブチャラティはクスクスと笑いだした。
「なんだよ…」
「いーや?可愛いところもあるもんだな、と思ってな。」
ふふ、と口角をあげて笑うそいつは本当に質が悪い。
「お前わざとやってるだろ…」
「さあ、どうだろうな?」
ニヤ、と余裕たっぷりに笑みを返される______毎回この笑みを返される度に嫌なくらいにひしひしと感じるのだ。またこいつに引っ掻き回されているんだと。




○そんな貴方に惚れてしまったのだから

__________引っ掻き回されようと、なんだろうと

__________余裕綽々と笑う貴方が好きで






小馬鹿にするような視線を振り払うかのように、俺は目の前のまだ熱い紅茶を飲み干した。