BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: ヘタリアでBL小説。 ( No.37 )
日時: 2012/02/22 13:31
名前: 夜藍 (ID: xBHsg906)

episode11
「近くにいて遠くの君へ」
北米兄弟です。今回はなんか少女マンガみたいな展開;;
人名です。


「マシュー、起きなよ!!マシューってば!」
ベッドの中にいるマシューの体がぐわんぐわんと大きく横に揺れる。
マシューはすかさず布団の隙間から手を出してマシューの体をゆする人物_______________________________アルフレッドの頭をはたいた。

「今日は会議もないしいいじゃない…寝かせてよ…」
「俺は元気が有り余ってるんだぞ!」
「それは他の事に活用して…とにかくおやすみ…」
マシューはふわあ、と欠伸をしてまた布団にもぐりこむ。
その布団をアルフレッドははいだ。

「ちょ、寒っっ!!な、もおおおお!!アルウウウウウ!!!!」
「起きない君が悪いんだよーだ。」
アルフレッドはアッカンベーをしてマシューに捕まらないようにそこらじゅうを走り回る。
休日くらい寝かせてよ、とぶつぶつと文句を言いながらもマシューはアルフレッドの事を追いかけた。

しかし。

「痛っ!!」
ドスン、と大きな音が家に響き渡る。
「アル、大丈夫?もう、走り回るからだよ…」
アルフレッドが尻餅をついたのだ。マシューは半ば呆れつつも、心配してしゃがみこみ、アルフレッドの顔を覗き込む。
「何か踏んだんだぞ…それでこけたんだよ…全く。」
アルフレッドは腰をさすりながら自分の足元を見た。
可愛らしい、クマの人形。
手作りであろう。少し糸がほつれていたりするがとても丁寧につくられている。

「これ、なんだい?」
アルフレッドが人形を持ち上げると、「ああ、それ…」とマシューが笑った。
「昔アーサーさんにもらった人形なの。可愛いでしょ?」
「手作りなんだよ。」とその人形を持ち上げマシューはクスクスと笑う。

「アーサー…」
アルフレッドは呟いた。アーサーと言えば自分たちの兄のような人だ。
仲たがいしてしまったこともあったが今は結構仲良くしている。…ケンカはしょっちゅうするが。

(俺だったらもっと気持ちのこもった人形作れるんだぞ…マシューの為なら…)
口を尖らせながら隣にいるマシューを見る。
するとその視線に気づき、マシューはアルフレッドに向かって笑いかけた。
「う。」と声を漏らしアルフレッドは目を逸らした。

______________________それは反則なんだぞ…。

自分の顔が火照っているのに気づき、余計に体温が上がる。
隣にいるだけでも辛いのに、とアルフレッドはいい意味でうなだれた。

「ねえアル、一番近くに居てもね見えない事ってあると思わない?」
「なんだい急に。」
顔を背けたままアルはマシューの問いに返事をする。

「だってそうじゃない。人は皆盲目で、背伸びして先を見ようとするのに必死で…だから近くにあるものほど見えないし届かないんじゃないかって。」

その言葉にアルフレッドは溜息を吐いた。


「分かってるんなら俺の気持ちもわかってよ…」
「なんか言った??」
「いいえなんでも。」

言ってる本人が遠くにいるアーサーの事を考えてるじゃないか。
そう思いながら、届かない歯痒さとアルフレッドは隣り合わせで。
ふう、とまた一つ溜息を吐く。
隣のマシューに目をやるとマシューの顔もアルフレッドと同じように真っ赤になっていた。


窓から朝日が差し込む頃。






ぽつり、とマシューは呟いた。








「アルの事だっつーの…バカ…」