BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【リク受付中】さあ廻れ、アルカロイド【BL、NL、GL】 ( No.391 )
- 日時: 2016/01/02 11:12
- 名前: 夜藍 (ID: CxgKVnkv)
- プロフ: 小咄詰 ハリドラ ジェスネ
episode118
※>>387 の蛇足 ハリドラ
その食い込んだ爪を、手を振り払えなかったのは特に意味があったわけではない。目の前で起こる奇怪な事件に目も頭もついていかなかっただけであってアイツのエバーグリーンの瞳に捕われた訳でもその指に込められた力に息を呑んだわけでもないのだ。
大声を出すという判断が遅れてしまったのも、全部理由なんてない、どこにも、理由なんてないのだ。
考え事ばかりで授業の内容が入ってこない上、先程読んでいた本の内容まで遠く彼方まで飛んでいってしまった。全ては忌々しいポッターのせいである。
アイツに握り締められた手首は赤く変色していて爪を立てられた部分には痕が付いている。
ああ気持ちが悪い!なんということだ!僕としたことがあんなのに捩じ伏せられるなんて!
心の中の叫びは誰にも聞こえるわけもなく。そして何故かそれは言い訳に近いもので。
(嫌いじゃない…か)
アイツの言葉を思い返してみる。
相手も相手で気が動転していたのだろう、おおよそ自分に言うセリフではない。
(こんな痕をつけていくなんて)
手首を見つめて、思った。
(……傷物にされた責任を取ってもらわないと)
「……!?!? 傷物って!!!責任ってなんだ!!!それは恋人同士になるという事か!!??」
その考えに至った自分が恥ずかしくなりそれを誤魔化すようについ声をあげて立ち上がってしまう。
視線がひと束になってこちらに集中する________こちらの方が何万倍も恥ずかしい事態であった。
「ドラコマルフォイ…授業中だぞ静かにしろ…スリザリンは10点減点だ」
スネイプの冷たい視線とくぐもった声を聞き、頬が火照るのを我慢しながら静かに座る。
そんな僕を振り返るのはまたあの忌々しいエバーグリーンだ。ああそうだ、笑え笑え、その代わり君が失敗した時には我先に笑ってやるよポッター。
鼻を鳴らしてふんぞり返ってポッターの表情を見る。
するとどうだ、ポッターは目を丸くし、そして僕と目が合った瞬間にバツが悪そうに、けれどどこか嬉しそうにしていて________ついでに言うと頬も染まっていた_______。
その様子を見て、火照るのを我慢していた頬が活動を再開し始めてしまった。だがそれは先程とは別の意味で。
(あり得ないあり得ない!男と!よりによってあんな、あんな奴と!)
ブンブンと頭を振って考えを張らってしまおうとしてもダメで、体温はどんどん上がっていく。
きっと着込みすぎたのだ、そうだ。そういうことにしてしまおう。
半ば強引に思考を変えてそう思うことにした。
数週間もしないうちにアイツに言いくるめられ先程頭に浮かんできた関係になることをこの時の自分は知る由もなかったのだけれど。
*ジェスネ
めっちゃちょっとしたやつ(水葬とは関係ありません) ジェ(←)スネ ぽい
「僕は貴様が嫌いだ」
オニキスの瞳を爛々と輝かせながらまるで威嚇するようにお決まりのセリフを言う彼はどうにも可愛げがない。別にこんな奴に可愛げを求めているわけではないのだけれどなんだか面白くない。
という訳でいつも言わない本音をここで言ってみることにした。
そう決めて僕は口を開く。
「僕は嫌いじゃないんだけどな君のこと」
「え、」
意表を突かれた、という風な声と共に僕を睨めつけていた双眼がきょとん、と置いていけぼりになる。
よしよし、効果は抜群な様だ。
そのまま僕は言葉を続けた。
「地に這いつくばってどれだけ汚れようと堕ちようと生きていく、君はドブネズミにそっくりだね、そういうとこがたまらなく愛おしくて大好きだよ!」
嘘偽りなど何処にもないこの気持ちを彼に届けると当の彼は少し止まった後顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
「………貴様のそういうところが嫌いだ」
「だと思った〜!」
…なんでこんなに不機嫌なのか良く分からないがまあいい、スッキリしたし。
ああやっぱりこれをからかうのは楽しいなあ!