BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: ヘタリアでBL小説。 ( No.45 )
- 日時: 2012/03/13 10:39
- 名前: 夜藍 (ID: xBHsg906)
episode13
「所詮愛なんて」
・少しエロいお話です。ちょっと怖い。好茶組。
彼のその行為は、いつでも痛い。
だから耀は息を殺して、唇をかんで、表情を作るのだ。
笑顔を。
「…アーサー。」
「んだ?」
「服の中に手ェつっこむなある。」
今日は嫌あるよ、と耀はアーサーに視線を向けた。
するとアーサーはふてくされたようにして目を逸らす。
「毎日毎日よくもまあ体力が尽きねえあるよ。病院行くよろし。」
「こういう事の体力は尽きねーんだよ。」
「…ホント最低ある。この淫乱眉毛。」
アーサーは「ああん?」とすごんだがそれも耀には効かない。
「我には、その独占欲が分かんねえある。」
「え?」
「いつも痛いある。…最中が。」
「…お前さっきからおかしいよな。変態発言しまくりだぞ。」
誰のせいあるか、と睨みをきかせつつも耀は言葉を続ける。
「お前のその痛い行為は、ただ我を傷つけたいんじゃない。縛り付けたいがため…」
「…無意識だろうけどな。」
色んなものを手放したもんだ、とアーサーは薄く笑う。
「地位だって、名誉だって、プライドだって、…弟だって、手放した。でも全てとっさらって仲間と笑ったり、泣いたり、バカやったりすることが、案外楽しいもんだと知った。」
アーサーはくるりと耀の方に視線をよこす。「でも今は違う」と呟きながら。
「お前がいる。守りたいモンがある。大切な…人を…見送ったりすんのは…嫌なんだよ…。」
途切れ途切れのアーサーの言葉に、耀は目を見開いた。
泣いているのか。
こいつが…。
「大丈夫…だから…泣くなあるよ…」
「…泣いてね、っく…うう…」
耀はアーサーを抱きしめて背中をさすった。
ニコニコと笑い「大丈夫」と繰り返す。
その夜、アーサーは耀の子守歌で眠りについた。
耀は明け方まで同じ曲を繰り返し、繰り返し歌ってはアーサーの背中をさすって。
それは昔、耀が弟の様に可愛がっていた子にしたのと同じように、延々と延々と歌っていた。
頬に伝うは二つのしずく。