BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: ヘタリアでBL小説。 ( No.73 )
日時: 2012/03/27 08:32
名前: 夜藍 (ID: xBHsg906)
プロフ: 非リア充?別にいいじゃないの。((

episode18
「重ねる想い」
・お花夫婦です。神ロも関わってくるよ!!

彼を見た時から、違和感は感じていた。
だが今になってわかるなんて、自分はなんて馬鹿なんだろう。
フェリシアーノ・ヴァルガスは机につっぷしながら唸った。

_______________________まあ似てるなってだけなんだけど…


気付いた時、すぐに思い出せずにいた事に無性に腹が立った。あれからもう幾度となく季節は過ぎて行った。記憶が薄れていくのも当たり前だ。当たり前なのだが、初恋のあの人の顔を思い出せないなんて自分に腹が立って仕方ないのだ。

むうっと頬を膨らませながら机を軽く叩いていると、自分の頭が今度は軽くぽんと叩かれた…というより、手を乗せられたと言った方がいいだろう。フェリシアーノが顔をあげると、そこには“彼”__________ルートヴィヒがフェリシアーノを見下ろしていた。

「フェリシアーノ、何をサボっている。」
「ヴェッッ…ルート…俺サボってないよ〜休憩してただけだよ〜」
いつもの調子でへらへらと笑うフェリシアーノにルートは頭を抱えながら、「それをサボっているというんだ…。」と溜息を吐いた。

二人で今日は資料に目を通さないといけない。そこでルートの家に呼ばれたのだが…フェリシアーノは先ほどから完全にシエスタタイムに突入していた。いつでも面倒くさくなるとなんだか眠気が襲ってくる。体がやりたくないとでも言っているかのようだ。
だがそんな事、このルートの前では通用しない。
背負い投げというのを友人の本田菊に教わったらしく、寝たら背負い投げな。と言わんばかりの表情でフェリシアーノを見つめてくるので寝るに寝れない。

ふとルートは、フェリシアーノの顔を覗き込んだ。
突然の事でフェリシアーノは後ろにひっくり返りそうになったが何とか食い止め、ルートの顔を見つめる。
「ヴェ…どうしたの?」
「…いや、元気ないな、と思ってだな。少し心配で…。」
そういえば不安そうな、心配してる顔をしている。
「大丈夫だよ〜ルートの思い込みだって〜」
ニコリと笑ってみせるとルートは安心したかのように作業へと戻った。




ねえルート。

ルートといて、胸がぎゅっとなるようなこの感情が、もし恋だとして。

きっとそれは、ルートに嘘を吐いてるの。

俺はルートに似ているあの子が好きだから。

似てるの。似てるから好きになったんだと思う。

でもルートを好きになってる時点であの子にも嘘吐いてるよね。

…あの子だって、嘘吐いたけどね。迎えになんて来なかった。

お迎えが来たのはあの子の方だったもの。

ごめんねルート。

ごめんね神聖ローマ。