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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: ヘタリアでBL小説。 ( No.86 )
- 日時: 2012/04/09 12:12
- 名前: 夜藍 (ID: xBHsg906)
- プロフ: 非リア充?別にいいじゃないの。((
episode20
「束縛と」
イヴァ菊です。よくあるなんか暴力的な…いってしまえばDV的なあれです。苦手な方は回れ右。この間のイヴァ菊とチョイ繋がってたり。
束縛癖が、彼は強い。
それは元々分かっていた。承知していた。
どんな事をされようとも、音をあげない。
彼とそういう関係になるとき、菊は心に決めた。
「イヴァンさん、ご飯はまだですか?」
菊がイヴァンに問う。それにゆっくりと振り返りニコリと笑う。
毎回思う。この氷の笑顔が怖くてたまらないと。
恐怖…幽霊やその類を見た時とはまた違う恐れ。
恐れと言うより、“畏れ”なのだろうか。
魅せられたというところもあるであろう。
最初は嫌悪感の塊でしかなかったその表情も次第に見惚れてしまう様になった。
気の持ち様ですね、と菊は小さく笑った。
だが、その菊の体は口角をふっと緩め、笑う事も許されないほどの痛みに耐えていた。
体をずるずると引きずるたびに、体に激痛が走る。
イヴァンに鞭で打たれた跡が生々しく紫色に変色して腫れ上がっていた。
日常茶飯事…なのだ。
この痛みも、笑顔も。
「はい、菊くん。ご飯だよ。」
彼の持つスプーンから口に運ばれる食事。
…完全に介護にしか見えない光景であるがそれが彼らの愛の形と言うかなんとやらだった。
イヴァンは菊をこの場所に縛り付けている。
逃げないように、逃げないように。
静かに縛り付けるのだ。
まるで呪いの様に。
一度だけだが、菊はイヴァンに話してもらったことがあった。
何故自分を縛り付け、暴力をふるい、それでも優しいのかを。
昔、大切なものを、人を、失ったかららしい。
縛り付けないと、きっと君もどこかへ行ってしまうでしょう?
そう言って彼は笑っていた。
笑っていた。
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