BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: ここ、本当に少年院何ですか!?オリキャラ募集中! ( No.101 )
日時: 2012/03/29 14:49
名前: 黒猫ミシェル (ID: qpE3t3oj)

「それで、どうだった?少年院は」

「普通でした、お兄様」

「そうです、普通です」

大きなソファーに大きなテレビ。
宝石が散りばめられた椅子と机。
そんな部屋に、ある双子と、お偉いさんの子供がいた。

「ふーん。・・・そうだ。ありがとね、レン・レイ」チュ

「あ、お兄様//」

「お兄様・・・//」

言ったが早いが、双子の唇に軽い口づけをする兄。
それにさっきまで無表情だった双子が顔を赤らめる。

「わざわざ遠い所まで行ってくれた、お礼だよ」

「そんな、お礼だなんて」

「そうです、お兄様の命令なら」

この双子は、菜伊都の部屋にいた二人だ。
あの明るさが嘘だったように、今の雰囲気は冷たく暗い。

「景都はいたのかい?」

「いました」

「はい、お兄様」

そんな二人が表情を変えるのは、演技の時と兄、御影杏樹の前だけだ。
この二人にとって杏樹は兄であり神であり、特別な思いを寄せる人だ。

「景都はどうだった?元気だった?」

「・・・・元気でした」

「とても、元気でした」

「そう、それは良かった」

杏樹の言葉に顔を曇らせる双子。
この二人が少年院に行ったのは、景都を見に行く為。
兄の杏樹に、今の景都を報告する為。
でもそれは、双子にとって悲しい事だった。

「景都の父上がお金で景都の刑期を買ったからね」

「そうですね、お兄様」

「買われたのですよね」

人形みたいな反応の二人。
しかし杏樹は慣れているので、喋り続ける。

「それで、景都の報告をしてくれる?」

「・・・気になる子がいるみたいでした」

「・・・・・そうです、気になる子です」

「気になる、子?気まぐれではなく?」

今度は杏樹の顔が曇る。
それを見た双子が、兄以上につらそうな顔をした。

「名前を、如月孔と言います」

「これが、写真です」

「ふーん・・・これはこれは」

それは孔が、口を大きく開けてご飯を食べてる写真だった。
ずいぶん、可愛い子だね。そう言い優しく微笑む杏樹。
その笑みに双子が見とれていると、杏樹が喋った。

「この子は、何故少年院に?」

「カッコつけようと、万引きをしたためです」

「家は、・・・・不明です」

「不明?」

首をかしげると、長い金の髪がサラリと揺れた。
それにまたしても双子が見とれた。

「何故か、家について調べられないんです」

「孔自身についても、そうです」

「ふーん・・・」

それは、面白いね。
景都が気に入った子か・・・・。
杏樹の目がキラリと光ったが、二人はそれには気づかなかった。

「私は明日、そこに行こうと思う」

「ダメですお兄様!」

「そうです、危険です!」

二人が杏樹の貞操の心配をして叫ぶと、杏樹は言った。

「大丈夫だよ、私はね」

「しかし・・・」

「でも・・・・」

それに、と、口ごもる弟たちに鮮やかに微笑んだ。

「婚約者の・・・景都にも会いたいしね」