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「お前なんかに食べられてたまるかよ！」

「そうですか・・・・顔、赤いですよ？」

「っ！　お前がやべぇーんだよっ！！」

慌てて腕で顔を覆うが、妖艶に微笑んだ星香には赤い顔をしっかり
見られてしまった。
普段の優しくて優等生な上級生の皮をはいだ星香は、妖艶で色っぽく、
誰もが見とれてしまう危うさがあった。

「素直じゃないですねぇ？　景都さんは、昔から私に逆らえない」

そうでしょう？
そう言い優しく頬を撫でられるが、今の景都にとってその優しさが、
一番恐怖を与えられるモノだった。

「お前は、昔からそうだ！優しくて、優等生で、全てが完璧だった！
　それでいて裏は強引で、頑固で、冷徹！　最悪だったよっ！」

「そうですね。昔から私は、景都さんを可愛がってあげてましたね」

「嗚呼、お前がそう思ってるだけだけどな！？」

「酷い事を言うようになりましたね、景都」

言ったが早いが景都の両腕を上に一つにまとめ、耳に囁いた。

「力でも私に勝てない・・・そんな景都が好きです」

「くっぅ」

星香が景都を呼び捨てするときは、皮が完全にはがれた時だ。
そうなった星香を景都は今までで、止めることはできなかった。
今もそうだろう。景都はあきらめ、固く目を瞑った　　その時、

「あの……すみません……道が分からなくって……」