BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: ここ、本当に少年院ですか!?《結果発表&番外編スタート!!》 ( No.268 )
- 日時: 2012/07/25 14:23
- 名前: 黒猫ミシェル (ID: JbPm4Szp)
《番外編:コスプレ&嫉妬》星香・景都(その他諸々)
星「…何てね。冗談ですよ?」
細い紐に伸びていた手を、星香はあっさりひいた。
そのまま、呆然としている景都をじっくり眺めている。
星「景都さんを、からかってみただけです」
景「なっ」
あまりの言葉に、今まで呆然としていた景都の顔に朱がさした。
星香はいつも通りの優しい微笑みを浮かべているが、それが嘘笑いだと、いくら幼馴染と云えど、わからないことだろう。
星「いやね、可愛い幼馴染が藍那先生に悪戯されてないか、心配だったんですよ」
景「ンなはずねぇーだろ!?で、藍那はどこ何だよ!?」
星「…さぁ?」
景「その間は!!?」
その疑問には答えず、星香は景都に背中を向けた。
そして、そのまま無言でさっていった。
残された景都は、この状況に会ったら誰もがいう言葉を一言。
景「何だったんだよ…」
*+*
細い廊下に、規則正しい音が響く。
それはつい今しがた、保険室からでてきた星香の足音だった。
そんな星香に、近づく影が一つ。
藍「それで?景都くんとは出来たのかい?」
星「それはあなたが…一番知っているでしょう?」
硬い声で、星香は藍那に何かを投げた。
かなりの速度だったが、それを余裕の表情で受け取る藍那。
藍「封すらきってないじゃないか。ダメだよ?早くしないと、こわーい狼に獲物を横取りされちゃうからねぇー」
星「その狼と言うのは、あなたですか?」
藍「さぁ?…でも、景都くんは可愛いと思うよ?」
考え深げに長い睫毛を伏せる藍那を、きつく睨む星香。
その視線に気付き、それでも余裕の表情の藍那は、やはり只者ではないだろう。
仮にも星香は、裏の世界でその名を知らぬものはいないと言われている人物だ。
しかしまた、藍那もその世界の重要人物であり、星香はそれを知らないことだろう。
藍「真の強者と言うのは、弱気者でもあるのだよ?」
星「どういう、事ですか?」
藍「それは自分で考えればどうだい?先輩の私からはもう、何もいう事はないからね」
星「せん、ぱい?」
訳がわからないと眉を寄せる星香に、藍那はさっきの星香の倍の速さで投げ返した。
受け止められず、よろけた星香に微笑んで、藍那は囁いた。
藍「それがカラになったら、良いね」
星「っ!!」
藍「弱虫な星香。腹黒い星香。幼馴染の景都に優しい星香。…面白いと思わないかい?」
星「何だと…」
藍「ねぇー?穂波星香くん…いや、No.10?」
星「!!!?」
ふっーと目に息をかけられ、思わず目を閉じた。
次に目を開けた時、藍那の姿は、消えていた。
星「何者なんです、アイツはっ!!」
近くの壁を思い切り叩き、穴を作る。
出来る限りの力で己の腕を握り、星香は呟いた。
星「誰が、アイツからもらったローション何て使いますか…
何者か知らないけど、俺を怒らせた事、後悔させてやるよ…」