BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: ここ、本当に少年院ですか!?《結果発表&番外編スタート!!》 ( No.281 )
- 日時: 2012/08/06 16:52
- 名前: 黒猫ミシェル (ID: kEC/cLVA)
《番外編:肝試し&怖い話》藍那・真湖
宮都と冬夢に置いていかれてから早数時間が経った。
藍那を死体と勘違いした虫達が身体を噛みまくり、藍那の身体には赤く腫れた所が何箇所も…。
そんな状況でも、藍那はひたすら耐えた。
どんなに痛くても、いくら虚しくても、悲しくて胸が張り裂けそうでも…。
そんな時、藍那が待ち侘びていた天使の声が夜の森にこだましたのだ。
真湖「わーっ!?藍那せんせい、こんな所で何をしてるの!?」
藍那「……くすん」
真湖「…泣いてるの?藍那先生…泥だらけだよ…?」
藍那「良くぞっ…良くぞ聞いてくれたね…マイ、エンジェルっ!!」
今の藍那にとってエンジェル…天使的存在の男の子の名は左定真湖。
短い髪に170cm近くある身体を持つ、こんな喋り方でも実は度Sだったりする藍那ファンだ。
真湖「僕に聞ける事があったら何でも言って下さいっ」
藍那「話せば長くなるんだけどね…聞いてくれるかい?」
真湖「もちろんです!!藍那せんせいの頼みなら、僕…//」
藍那「実は…」
安心感からか藍那は、悟りを開いた仙人の様な穏やかな声で語り始めた。
どうして自分が泥だらけなのか、何故所々ポツンと腫れているのか、こんな所に一人で寝そべっていた理由を…。
真湖「そ、そんな事があったんですね、うぅ…」
藍那「そ、そうなんだよっ!!私は悲しくて悲しくて…」
真湖「酷いです!!酷すぎます!!こんなにカッコ良くて綺麗で優しい素敵な藍那せんせいを、こんな所にっ!!…おいたわしいっ」
藍那「エンジェルっ」
熱い抱擁を交わす二人。
その二人を、悲しい目で見つめるのは夜の鳥達であった。
たいして長くもない話を聞いた真湖は、明らかに藍那に非があると言うのにも関わらず、宮都と冬夢を非難した。
真湖「あいつら…おれの藍那せんせいに…殺す」ボソリ
藍那「んー?何か言ったかい、エンジェル?」
真湖「何でもないです!!それより藍那せんせい、ぼくの事は…真湖と//」
藍那「まこ…真湖くん?…何て可愛い名前何だろう!!まさに君に、ピッタリな名前だね。君をここまで育ててくれた親御さんに感謝だよっ!!」
藍那はただ純粋に、自分に声をかけてくれたのが嬉しかったのだが、真湖にとってそれは神からの言葉だった。
目の前にいるのは、まるでダメなオジちゃん、訳してマダオだというのに。
真湖「藍那せんせい、一回戻りましょう?」
藍那「ああ、そうだね!!私に付いてく…ぁ。…案内してくれるかい?」
真湖「もちろんですっ//」
真湖は気付かなかったが、藍那の首筋には冷や汗が流れていた。
この時、藍那はここからどうやって帰れば良いのか忘れていて、真湖が自分に気付いてくれなければ、一生をここで過ごしていたかもしれないのだ!!(そんな大袈裟じゃないけどね)
藍那はトコトコと手を繋いでもらいながら、真湖の後ろに付いて行った。
藍那「お風呂に入りたいよっ」
真湖「じゃぁ、僕がお背中ながしますね!!」
藍那「ありがとう…」
二人のきゃぴきゃぴした声は、深い夜の闇に吸い込まれていった。