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Re: 腹黒 親衛隊 隊長の受難《NEW》 ( No.351 )
日時: 2013/06/20 20:07
名前: 黒猫ミシェル (ID: II6slNHe)

ー副会長SIDEー

「遅いですね…」

時計をチラリと見る。
もうかれこれ一時間は待っているでしょうか。

「この私を待たせる何て…何様のつもり何でしょうねぇ」

自分の眉間に皺が寄っていく。
普段なら絶対にそんな事はしないけれど。
まぁ、この場には私以外誰もいないので別に構いませんが。

「…ん?」

何でしょうかアレは。
私の目が狂ってしまったのでしょうか?
おかしいですね。
これでも私、視力は良い方なのですが。

「うっしょ、こらしょっとっ」

ソレは壁から軽やかに降りて地面に着地した。
そのまま私を素通りしようとするので、肩を掴む。
私を一時間も待たせて置いて無視とは…良い度胸ですねぇ?

「君、…」

「何だよお前!!俺は君じゃなくて葉月だ!!」

「…私は君…いえ葉月君を待っていた副会長の綾波レイです」

「ああ!俺を案内してくれるんだよな!?」

「えぇ」

内心の怒りを抑えてニコリと微笑む。
すると何故か突然肩を掴まれてしまった。

「やめろよ!そんな胡散臭い笑顔何てっ!!」

「え…」

「俺の前ではそんな無理に笑わなくて良いからな!!俺たち友達だろ!?」

機関銃の様にまくし立てる葉月。
でも彼の言葉は私の心を温めてくれて…。

「友達ですか?…葉月君と私が?」

「そうだぞ!!だから俺の事は葉月って呼べよ!!俺もレイって呼ぶから!!」

「葉月…」

笑わなくて良いって言ってくれる人は初めてで。
友達だって言ってくれる人も初めてだった。
しかも私の嘘の笑顔を見破って…。

「葉月…ありがとう」

「?何か良く分からないけど良かったな!」

ニカリと(口しか見えないが)笑う葉月に、私は心を奪われていた。
そう…これが恋というものですね。

「葉月」

「何だレ…」

チュ

「うぉっ!?いきなり何するんだよレイっ」

葉月の頬に口付けすれば、葉月は顔を真っ赤にして怒る。
それすら愛しくて、私は無意識に微笑む。

「レイ!やっぱりお前綺麗だなっ」

「葉月は可愛いですね」

「や、やめろよ!恥ずかしいだろ!?」

私は照れる葉月の手をひいて、理事長室まで案内する為に歩いた。
幸せに心を満たしながら。