BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: BL/GL小説集 ( No.364 )
日時: 2013/08/23 22:13
名前: 黒猫ミシェル (ID: IcK/upD1)

【僕に関わらないで下さい】不良×最強平凡

「好きだ。俺と付き合え」

「嫌です。無理です。ごめんなさい」

ある日当然。
僕の平凡ライフを壊す言葉が、不良の口から放たれた。


始めまして。
世界の平凡代表、斎藤樹です。
大きくも小さくもない黒目に、平均的な身長。
艶やかでもガサついている訳でもない黒い髪の毛。
目の下にある泣き黒子が、唯一あげられる僕の特徴でしょうか。
そんな僕は、見た目通り平凡な生活を満喫していました。
勉強運動共にそこそこをキープし続ける努力。
友達との付き合いは浅く広く。
卒業し大人になって集まった時、「あれ?あいつ誰だっけ?」「馬鹿!鈴木だろ?」みたいな会話をされる。
それが僕の夢です。
そんな僕の夢を、ブチ壊す男が現れました。

「あ?てめぇら何斎藤見てんだよ?あ"ぁ?目ん玉ほじくり出すぞッ!」

「ひっ」
「ご、ごめんなさ…」
「うぅっ…」

怯えるクラスメイト。
今横で僕に張り付き、ガンを飛ばす男…。
名前を、剛力敬助と言います。
真っ赤に染めた髪に金色のカラコンをした目。
着崩れて改良された制服に、ジャラジャラ音を立てるアクセサリー。
人間とは思えない程整った顔。
彼は、この辺では知らぬ者はいないと言われるくらい恐れられてる不良です。

「斎藤、大丈夫か?アイツ等殴ってくるか?」

「辞めて下さい。何もされてないので、全然大丈夫ですから」

僕を優しい目で見つめる彼こそが、僕の平凡ライフをぶち壊した元凶です。
そう、ある日コイツは僕を屋上に呼び出しました。
リンチかカツアゲかと訝しんで行ってみれば、いたのは顔を赤くした不良。
そして

告られました。
勿論答えはNOです。
当たり前でしょう?僕たちは男同士ですし。
何よりこんなヤツと付き合ったなどなれば、女子に殺されます。
怖がられて敬遠されていますが、顔は良いのでモテモテです。
羨ましいです死ねよクソが。

「何でだ!俺はお前を愛してるんだよ!!」

「でも無理です」

そう言えば逆上した単細胞が僕に殴りかかって来たので、殴りました。
女子共が愛してやまない顔に、僕の平凡な拳を突き出させば吹っ飛んで行く不良。
あれは爽快でしたね。
アハハッ(^∇^)m9

「良いですか、不良君。君のそんな喧嘩慣れした拳を、平凡な僕が受けたらどうなると思います?」

「っ…い、ってぇ…」

「明らかに骨折して病院送りですよ?僕を愛してると言ったヤツが何晒そうとしてんだ馬鹿が」

「お前…ッオイ!待てよ斎藤!!」

僕を必死に呼び止める不良君を置いて、僕は静かに教室に戻りました。
それからです。
彼が僕の周りをうろつくようになったのは。

「おい斎藤、なンかやる事ねーか?」

「ありません」

「なぁ、斎藤。いつ喧嘩しにく?」

「しに行く訳ないでしょう」

馬鹿な質問を次から次へとベラベラベラベラ。
好い加減うんざりです。
彼の耳に口を近づけ、クラスメイトに聞こえない様にボソリと言います。

「君の名前は敬助と言うのですから、僕を敬い僕を助ける為に僕から離れて僕の視界に入らない様に廊下に行って帰ってこないで下さい。ね、け・い・す・け・さん?」

「っ、…お、お前っ今、俺の名前っ//」

顔を真っ赤にし頭から湯気を出す不良君。
そんな不良君を見て、女子はキャピキャピ写メを撮ります。
…ハハハ。

「さ、斎藤!もっかい、もう一回俺の名前っ…」

「良いからさっさとイケよクソが!」

ダンッと机を叩き、不良君を睨みつける。

「さ、斎藤…君?」
「別人みたい…」
「あんな事言う子だったっけ?」

終わった、僕の平凡人生。
これもかれも全部…全部…アイツが悪いんですよね?

「ふりょ…いえ、剛力さん」

「何だ斎藤!」

「死んで下さい」

ニコリと微笑んで、剛力さんを蹴り飛ばしました。