BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: BL/GL小説集 ( No.365 )
- 日時: 2013/08/28 13:58
- 名前: 黒猫ミシェル (ID: IcK/upD1)
【俺様の親衛隊隊長】ヘタレ会長×天然隊長
十二時二十分。
いつもの時間に、僕は食堂へと向かった。
そこで、衝撃的なモノを目にするとは知らずに。
「ッ!?」
そこには、不潔感のあるモジャモジャ頭の転校生と、会長がいた。
僕が親衛隊隊長を務める人物、楠木会長。
彼はモジャモジャ頭…マリモ君の頭に手を添えていた。
僕を視界に捉えると、ニヤリと会長は笑う。
イヤァアアアアアアアアア!!?
耳をつんざく様な悲鳴が、食堂に響き渡った。
僕は頭が真っ白になって、フラフラと会長とマリモ君の所へ向かう。
「隊長・・・」
副隊長の声が聞こえた気がしたが、僕はそれ所じゃなかった。
マリモ君にキスをしている会長に、目が釘付けだった。
「かい、ちょう・・・」
「何だ梓?何か用か?」
ニヤニヤと厭らしく笑う会長に、僕は申し訳なさそうな笑みを浮かべる。
「申し訳有りません、会長様」
「はっ?」
ポカンと間抜け面する会長に、僕は頭をさげた。
この際、僕をジッと見つめてくるマリモ君は無視する。
「僕としたことが、会長様がマリモ君を好きだとは気づかずに…」
「え?梓?」
「マリモ君!!」
ガシリとマリモ君の手を掴んだ。
髪に隠れたマリモ君の頬が赤くなった気がしたが、これも無視した。
「会長様は君を好き何だ。悔しいけど、隊長の座は君に譲るよ」
「意味わかんねーよっ!何言ってんだよお前っ!!」
「隊長!私は嫌ですよこんなマリモが隊長だなんて!私の隊長は貴方だけですッ!!」
マリモ君と副隊長の声を無視して、ゴソゴソとポケットの中をあさる。
会長は固まっていた。
そんな会長も無視して、マリモ君の手に豪華な鍵を手渡す。
「はい、これは会長様の部屋の鍵だよ。僕が持っているより、君が持ってる方が会長も嬉しいでしょう」
「そんな事よりお前の名前教えろよっ!」
会長の部屋の鍵をそんな事と言う彼はかなりの大物だろう。
会長の親衛隊員に売れば、軽く万越えの値段が付く気がする。
「君が会長様と恋人になるのは悲しいけど・・応援するよ!」
「はぁっ!?」
大好きな会長様を獲られた健気な隊長を演じる。
これでやっと面倒臭い隊長職から解放されると思うと、とても清々しい。
「駄目だ。この鍵はお前にやったんだ、梓が持ってろ」
「え?」
今まで固まっていた会長が、鍵を僕の手に戻した。
何、この予想外の展開は。
「このマリモはからかっただけだ。勘違いしてんじゃねーよ」
「はぁ・・」
納得していない僕に、会長は大変喜ばしくない事を言う。
「俺様の隊長は梓だけだ」
「はい!」
ちょっと、僕の演技は?隊長やめられないじゃない。
一応笑顔でいるけどさ。
「お前梓ってゆーのか!俺は斗真ってんだ!仲良くしようぜっ!!」
「僕は会長様の親衛隊だから」
「親衛隊何て最低だ!俺の親衛隊になれよ梓っ!!」
頭が可笑しいこのマリモ君。
僕はライバルじゃないのかな?
第一君みたいなマリモには親衛隊何て出来ないでしょう。
「マリモ君・・・」
「マリモじゃない!斗真だっ!!」
こんな僕たちを背に、会長は影を背をって一人寂しく帰っていった。
・・・のに、僕は全く気付かなかった。
生徒会室にて。
「はぁ・・・」
「どぉーしたの龍?ため息何てついちゃってぇー」
何かあったぁ?
そう緩く話すのは、龍の幼馴染で会計でもある笹野だった。
「マリモにキスしたら、あっさり鍵を渡しやがった」
「キスしたのぉ?」
バカだなぁーって笑えば、龍が怒鳴る。
「嫉妬して欲しかったんだよ!」
「嫉妬ねぇ」
龍らしい馬鹿な発言に、思わずため息が出ちゃったぁ笑
「悪いかよ!?好きな奴に嫉妬されるってのは男の夢だろっ!?」
「だねぇー」
あはは、龍ったら涙目だぁー可愛いのぉー。
「折角あずちゃんの為に部屋可愛くしてるのにねぇ」
「・・・あぁ」
龍はねぇ、あずちゃんが(昔)好きなキャラクターの縫い包みをね、
部屋に飾ってるんだよぉ。
あずちゃんったら、龍にそんな趣味があったのかって勘違いしてるのぉ。
部屋入ってそれ目にした時、めっちゃ引いてたもん笑
「とにかく、謝りにいけばぁ?」
「・・・」
「あずちゃんはね、龍が好きじゃないのぉ。自分から攻めなきゃ発展しませんー」
あずちゃん可愛いから他の男に獲られちゃうよ?
そう言えば、面白いくらい龍は顔を真っ青にした。いや、真っ白?
「梓の部屋行ってくる」
「いってらぁ〜」
笑顔で龍を送り出して、俺はあずちゃんにメールする。
TO あずちゃん
TEXT
ヘタレな龍があずちゃんトコに向かったよぉ(*^^)v
優しく紅茶でも出してあげてね☆
仕事たっくさんして疲れてると思うからぁ
「お、あずちゃんったら返信早いねぇ」
なになに
TO 会計様
SUB Re:RE2
TEXT
了解です。
マリモ君との話も終わったので、紅茶作って待ってます。
俺は笑う。
「良かったねぇ龍。あずちゃん特製の紅茶が飲めるよぉ」
帰ってきた時、きっと締りのない顔してんだろぉーなぁ。
何てからかってやろーかなぁー何て考えながら、俺はあずちゃん特製ケーキを頬張った。