BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: BL小説【とある腐男子君が見た!】 ( No.401 )
- 日時: 2014/03/16 12:05
- 名前: 黒猫ミシェル (ID: T1/NqzP3)
【泡になった王子様】
荒れ狂う海に船を壊され、泳ぐ事も出来ずにただ流される人を見た時、俺は思った。
何て雑魚いんだ…と。
何でも知ってる(俺の親友の)魔女に聞いてみたら、あんなのが人間の国の王子だと言うじゃないか!
俺は寝込んだね。
今まで描いてきた理想と言う名の妄想が、跡形もなく崩れていったんだから。
そして二週間目の朝を迎えた時、俺は決めたんだ。
あの駄目駄目王子に、色々教えてやろうって。
幸い俺は十三番目の王子。(末っ子)
上の兄全員と親に溺愛されていることと、魔女と仲が良い事。
人魚の中で一番美しい容姿に尾びれを持っている以外には、特に特殊したモノを持たない俺。
何故かなかなか人間にしてくれない魔女にキスをして人間にしてもらい、陸に上がった。
倒れたフリしてはや数分。
やけにキラキラした服装に身を包んだ、これまたキラキラした顔の男に声をかけられた。
コイツこそが、海に流されて死にそうだった、駄目駄目王子である。
「君…大丈夫?良かった僕のお城にこない?」
「あなたは…」
俺が言うのも何だが、仮にも王子がこんなに無防備で良いのだろうか。
裸で浜辺に倒れてる俺(しかも男)を城に誘うなんて…おつむが弱いんじゃないだろうか。
「可愛い…いや、綺麗だね…名前は何て言うの?」
「俺は…」
と言うやりとりをして、なんだかんだで王子の嫁候補に挙がった俺。
何と俺の他にも、候補は後13人いた。
そのうち12人は何故か俺の兄達に顔が良く似ていて、後一人は親友の魔女に良く似ていた。
「…てか、え、…どうしているの?」
『『『『『『「人魚姫が心配だからに決まってるだろっ!?」』』』』』』
「あ、そう…」
王子は俺を嫁にしたかったらしいが、魔女が惚れ薬を飲ませたから…。
……………兎に恋をしてしまった。
まぁ、俺は良いと思うぜ。
色々教えてやろうと思ったが、この兎(魔女のおかげで人間に以下略)が教えてやるだろう。
いくら人間になったとはいえ兎は兎。
万年発情期で王子の身体が持つか心配だが、俺には関係ない事だな。
満足気な兄達と魔女と一緒に、待ちくたびれて迎えに来てくれた親の龍に乗って、俺は竜宮まで帰った。
この経験を、夏休みの宿題の作文にしようと思う。