BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: BL小説【とある腐男子君が見た!】 ( No.402 )
日時: 2014/03/18 16:59
名前: 黒猫ミシェル (ID: T1/NqzP3)

【蛇の様な後輩】後輩×先輩

俺は絶賛告られ中である。

「先輩…付き合ってくれませんか?」

「すまないが諦めてくれ」

「どうしてですか!」

「…社内恋愛はしないと決めている」

それに……



お前、『男』じゃないか。



その言葉は、後輩に塞がれて言えなかった。
何をって…唇を。
何で?
………………後輩の唇でだよ。

「んっ…」

「好き何です!声をかけて頂いたあの時から!」

「…ま、て……坂倉!」

「仕事も出来て、スタイルも顔も良くて、頼りになって、周りからの信頼も厚くて、俺なんか全く釣り合わないって分かってるんです!でも!俺、もう先輩の事しか考えられなくて!!」

「坂倉……」

「昨日夢に先輩が出来てくれたんです!夢に出てくる人は、自分の事を想ってるって聞いて…だから、俺……。そんなはずないのに…」

「…」

切な気に潤むその瞳をみたら、もう俺は何も言えなかった。
もともと坂倉は特別弟のように可愛がっていたのだ。
いくら告白されたとしても、唇を奪われたとしても、嫌いになれるはずがない。

「先輩…今すぐにお返事を、とは言いません」

「ああ…」

「俺みたいな男に告白されて戸惑っていると思います…本当にすみません」

俺みたいな、というが、坂倉はみたいな、という言葉から遠く離れた人間だ。
サラサラの金髪の髪に、くっきりとした瞳、薄い唇にすっと通った鼻梁。
男の俺から見てもとても魅力的な男だ。
だから俺の事なんかさっさと忘れて良い女と結婚して幸せになって欲しいと思う。

「俺は…坂倉をそういう目で見れない」

「先輩…」

「ずっと、弟のように思ってたから…悪い」

「俺こそ…すみません」

小さな声で、でもはっきりと坂倉は言った。
お願いがあうんです、と。

「俺、先輩とはこれからも話したり…飲んだり…そういう事をしたいんです。だから…今まで通りに接してくれ…ませんか?」

「もちろんだ坂倉。これからもよろしく頼むよ」

「…はい」

俯く坂倉をもう見ていたくなくて、俺はその場をさった。
気になって振り向いていなければ、見なくてすんだのに。
坂倉が、俺を見て厭らしく笑んでいたのを。
瞳を爛々と光らせ、舌舐めずりするその様は、振られて傷付いた男のそれではなかった。
そう、まるで獲物を狙う蛇のような。
俺はそう遠くない未来で、坂倉のモノになる事を悟った。