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Re: BL小説【蛇の様な男】更新! ( No.403 )
日時: 2014/03/31 23:32
名前: 黒猫ミシェル (ID: T1/NqzP3)

【仕事を頂戴】王様×暗殺者

「王様さぁ」

甘い甘い、蠱惑的な声が寝室に響く。
肌触りの良いシルクのキングサイズのベットの上に、二人の男が横になっていた。

「何だ、ユサ」

それに返すのは凍てついた、とても鋭く冷たい声。
この国『ハゼル』を統べる若き王である。
それに臆すことなく、ユサと呼ばれた男はごく自然に腕を男の首に絡ませた。

「最近俺に仕事くれなくない?俺そろそろイキたいなぁ」

「俺といるのは退屈か」

「違うよーそんなんじゃなくてさー」

「なら何だ」

「俺、そろそろヤらないと腕がなまりそーなの」

無表情で黙り込む王を、ユサは甘えをのせた瞳で見つめた。
琥珀の瞳がキラリと光る。

「王様はもう殺して欲しい人いなくなっちゃったの?最近全然お仕事くれないしー。なら俺もう必要ないよね?コレ外してよぉ」

コレと言って足を振ると、ジャラリと場違いな音がその場に響いた。
細く真白な足首に、武骨な銀の鎖が巻き付き己を主張する。

「俺が王様殺しそこねて、俺を王様が殺さない代わりに無料で王様からの仕事受けたげるってのが俺らの契約でしょ?」

「そうだ」

「王様は偉いから、殺したい人たくさんいると思ったのに。俺まだ五人しかころしてないんだけどー?」

「そうだな」

「何か鎖つけられるしー王様はやっぱり俺を殺したいの?」

「違う」

「じゃぁなに?俺さっさと殺して稼がないと。王様と違って俺貧乏だからさ」

黙りこむ王に、ユサはイライラと催促する。

「俺は暗殺者なんだよ?殺さないといけないの!たった一個の仕事を失敗するだけで、依頼率がめちゃくちゃ下がるの!」

「分かっている」

「だったらっ「嫌なんだ」...何が?」

「お前に殺しをさせるのが」

「っは...王様バカ?ソレ、俺に死ねって言ってるのと同じだよ?」

「知ってる」

「王様は俺に死んでほしいの?飢えて死ねって!?」

「・・・俺と暮らせばいいだろ」

キョトンとユサは首を傾げた。

「王様と暮らすの?」

「そうだ」

「俺が?」

「ああ」

「王様と?」

「ああ」

「良いの?」

「俺のそばにいればいい」

「暗殺・・・」

「たまになら良い」

「分かった」

フワリとほほ笑んだ。