BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: BL小説【仕事を頂戴】更新! ( No.404 )
- 日時: 2014/04/01 20:54
- 名前: 黒猫ミシェル (ID: T1/NqzP3)
【間に合わなかった】風紀委員長×不良
「おい藤枝!あれ程何もするなと言っただろう!?」
人口色の赤い瞳を睨み付けた。
「あ?」
「また他校と問題を起こしただろう!?」
額に青筋をたて、まるで鬼のような顔をした男が藤枝に詰め寄る。
普段は基本穏やかなはずのこの男は、風紀委員長という肩書をもっていた。
この少し変わった校風をもつ、月宮学園の風紀を守るために存在する。
学園内のトラブルあもちろん、在校生が起こした問題も全て彼が率いる風紀の管轄である。
毎日仕事があると言っても過言ではないこの風紀委員長には、頭を悩ませる存在があった。
「俺はただやり返しただけだ。あっちが複数で俺を襲ってきたんだよ」
「全員病院送りにしておいて良くそんなことが言えるな?」
「やらなきゃ俺がやられるだろうが」
俺の苦労もしらないで、澄ました顔をした藤枝が許せなかった。
「黙れ!減らず口をたたくな藤枝!どうしてお前はそうなんだ!?」
「は?」
「何故人を傷つけることしか出来ないんだ!」
「なっ」
澄ました顔を崩した藤枝に、薄暗い感情が沸き上がる。
「全く...お前のご両親はどんな教育をしてるんだ」
「...」
反論してこない藤枝に気を良くして、俺はただ口を開いた。
「ご両親に申し訳ないと思わないのか?兄弟は?お前がそういう行動をするせいで、迷惑するやつがいるんだぞ!だいたいお前h「黙れ!!」...何だ」
「お前に何が分かるんだよ!?俺のこと知りもしないくせによ!?」
「ふじ、えだ...」
藤枝は泣きながら俺に叫んでいた。
こんな姿を見るのは初めてで。
俺が、藤枝を傷つけてしまった。
それに気づくのは余りにも遅くて。
「悪かったよ。俺がいなくなりゃ好いんだろ?....出て行ってやるよ!」
(消えていく後姿を、俺は追いかけることができなかった)
「委員長...」
「...なんだ、澄恵」
一部始終を見ていた澄恵、風紀副委員長に、藤枝の家のことをきいた。藤枝が、今まで自分から手を出したことがないことも。
ご両親に捨てられていたことも。
他にも、たくさん。
全部全部、俺が知らないことばかりだった。
いや、俺が知ろうとしなかっただけだ。
「藤枝に..」
「謝ってきてください、委員長。まだ間に合います」
「ああ」
俺は藤枝が消えた方向にひたすら走った。
藤枝が昇っていった屋上、そこで目にしたのは....
柵をこえて足を空中に踏み出した、藤枝の姿だった。
(ああ、俺は『また』間に合わなかった)
【後書き】
風紀委員長と藤枝は、前世でも似たような関係です。
風紀委員長は何度も何度も藤枝を死においやっていて、それに気づくのは藤枝が死ぬ瞬間をみてからです。
それを見て、ああ俺はまた殺してしまったんだなって罪悪感に苛まれる風紀委員長が書けていれば嬉しいです。