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1話


突然私の目の前に現れた。


長い髪に大きな瞳。赤い唇にほんの少し淡いピンクがかかった頬。
まるで人形みたいだった。


「では仲良くするように。」


先生は皆にそう告げるといつもどおりに授業を始めた。

そう彼女は今日転校してきたのだった。


『はーい』


皆はそうだるそうに声を上げた。


「なんかうざっ」


クラスのリーダ的姫華が言った。

何がうざいのかわからない。
多分自分よりかわいい人が許せないのだろう。
女の嫉妬だ。


その日から彼女はいじめられるようになった。

だけど何も言わない。
平気な顔をしていた。


姫華も飽きたのかターゲットを変えることにした。


「ならぁ—————今日から天野にしますっ！！！！」


えっ…？
何で…

私は口を開けたままただおびえた。

怖かった。
ただでさえ友達もいないのにどうやって高校生活をこれから過ごすのだ。


———ガタッ


「！」


(転校生の)羽住さんが急に立った。


「あんた頭大丈夫？」


———ザワザワ


クラスがざわめき始めた。
それには無理もない。

だってあの姫華に言ったのだから。


「はぁ？？あんた私に逆らう気？」

「はぁ？」

「もういいわ。これからもあんたがいじめのターゲットよ。」

「ふーん、別にいいけど。」


そういうと羽住さんは椅子に何事もなかったかのように座った。

私を助けてくれた…？

羽住さんありがとう。
心の中でつぶやいた。


1話　完